認知症
2018年01月12日
★カシス川
ほぼ私小説と思われる作家である娘と、抽象絵画の画家である母との、一卵性母子状態での、介護、自らの大腸がんとの闘病の日常を描いた作品。
華やかな容貌、慶応大学の教授という地位にある著者を、羨ましい人の一人として見ていたけれど、母によって結婚を阻止され(それをはねのけるだけの強さがなかったというべきなのか)、子どもを持ちたかった願望を果たせず、愛した人は壮絶な食道がんで喪い、老年に差し掛かった女性の、体力気力共にきつい日々を描いており、下手をするとドロドロ、また介護や自らの病状などは、汚くて惨憺たる描写になりそうなところを、詩的だけれど的確な表現や、時として織り交ぜるユーモアで、読ませてしまう作品。続きを読む
kaikoizumi2005 at 23:59|Permalink│Comments(0)│
2008年08月27日
☆老人介護 じいさん・ばあさんの愛しかた
中卒で理学療法士が開き直ったウリになっている気配のある著者。ご実家のお父様のお世話などで悩んでいたに違いない友人が貸し下されました。
読んでいて、色々考えちゃいましたね。
マクドナルドに代表されるマニュアル通りというのは、出来ないであろう人も基準に沿ってやれば、そこそこのサービスが提供できるという事なのだけれど、マニュアルがあると、そこそこにはなっても、それ以上は望めないという事は往々にしてある。
福祉の世界がまさにそれ。その中で、分野は違うけれど、私は過去に数件、第三者評価の調査員として、基準に沿ってチェックをして回った訳です。出来るだけ一生懸命やっているところを拾うようにしたけれど、どんなに工夫していても、基準に沿わなけりゃ×。逆に後追いだろうと、とにかく基準に沿うようにすれば○など、ヘンダぞ、と思う事が何回かありました。続きを読む
kaikoizumi2005 at 00:06|Permalink│Comments(0)│