自閉症

2010年08月11日

(自腹)光とともに・・・ 15巻



 著者、戸部けいこ先生が今年1月に亡くなったと聞いて、本当に残念でした。

 自閉症児を授かった母、幸子さんを中心に、福祉や教育、そして人間関係の様々な局面を描いた力作で、幸子さんに辛く当たったり、自閉症の光君に不適切な対応をしてしまう人たちに対しても、実はこんな事情があって、と言うフォローをしていて、人を見る目にあたたかさがあり、障がいに対して無関心な人たちにも共感してもらえる作品だったと思います。続きを読む

kaikoizumi2005 at 21:57|PermalinkComments(1)

2010年03月04日

★続 自閉っ子、こういう風にできてます!



 図書館で予約。随分と待ちました(こういう地味系の本は入庫数が少ないので、打順が遅くなります)。

 自閉症のひとつ、アスペルガー症候群のニキ・リンコさんと藤家寛子さんが、出版社社長の浅見さんと共に、自身もアスペルガー症候群のお子さんを持つお医者様の岩永竜一郎さんと対談して、自閉症者の特徴と、どうやって順応して行くかを、サブタイトルどおり、もっぱら「自立のための身体づくり」の面から説いている本です。

 感覚が鋭敏だったり、逆に鈍感だったり、自閉症の現れ方も人それぞれですが、身体感覚も人によってかなり違うようです。また、集団を大事にする体育指導の結果、運動嫌いが多いなど、自閉症の人にとっては、義務教育時代のみんな一緒! 同じじゃなくちゃダメという指導法はかなりきついものがあるというのも分かりました。

 基本的に、体力的にタフじゃない人も多いようで、パッと見分からない障がいは、内臓などに疾患や障がいがある人と同じく、周りの理解を得るのが難しい一方で、生活には大変さが多いという事がよ〜く分かりました。

 この本、ぜひぜひ教育現場の方たち、ならびに福祉業界、医療業界の方に読んで貰いたいですね。(勿論、一般の方にも・・・。特にサービス業や、学校で「?」というタイプのお子さんとわが子が接しているかも知れない親御さんたちにも)

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kaikoizumi2005 at 22:26|PermalinkComments(1)

2009年10月15日

☆僕の妻はエイリアン

僕の妻はエイリアン 「高機能自閉症」との不思議な結婚生活  /泉流星/著 [本]
僕の妻はエイリアン 「高機能自閉症」との不思議な結婚生活 /泉流星/著 [本]
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 高機能自閉症(アスペルガー症候群)の著者が、夫の立場に立って書いた本。文中で夫婦は「妻」「夫」と呼び合い、固有名詞は出ない。

 妻の変なっぷりに戸惑い、時として爆発しそうな夫の思いを、ユーモア溢れる文章で書いている。それが戸惑わせている当の本人であり、相当な文章力、ならびに書いている限りには人の心が読み取れてるじゃんという違和感があるので、ますますもって、アスペルガー症候群って、な〜に?という事になるのであるが、それはそうとして・・・

 分かる、分かるのだ。 と思う人、結構いるんではないでしょうか?

 かく言う私も、実は電話苦手。喋っていると悪気は無いのに失言をしてしまったり、人によっては「あの人は話を難しくするから苦手」と敬遠されたり(そういう話、何人からか小耳に挟みました。現状、私と付き合ってくださる方は自身も理屈っぽい話が好きか、あるいは、どうでも良い話は流せてしまえる人かです)「妻」と似た状態をしばしば体験しております。 おまけに文章に関しては割とうまく処理できるから、会ってみてもいい人かと思えば、どうやらそうじゃないらしいですし・・・(苦笑)。

 ある友人は「これって、私って結構可愛いじゃんというプチ自慢系」と若干批判っぽい感想を抱いていましたが(たしかに「夫」君の寛容さは羨ましい限りです)、私は、何と言ってもアスペルガー症候群の生き辛さを感じました。

 ひとついいなぁと思ったのは厳しい躾をしたという著者の親御さんですが、決して彼女を否定しなかったこと。それで彼女は時として重篤な欝になりつつも、現在生き抜けているのではないでしょうか。そこんところ「あんたはダメ」と変わり者ぶりをビシバシ打たれ続けた私は、かなり自信喪失してしまったので、羨ましい点です。

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kaikoizumi2005 at 18:45|PermalinkComments(0)

2009年08月30日

□ジュールさんとの白い一日


ジュールさんとの白い一日
Amazonで購入
書評/海外純文学


本が好き!の献本。

 朝食の支度をし終えて、椅子に座ったまま、という理想的なポックリ死を遂げたジュールさん。妻のアリスがその遺骸を見ながら、たっぷり1日掛けて、ジュールさんをしみこませて永訣の1日を過ごすと言う静かな作品。

 直ぐに誰かに連絡したら、ジュールさんは通販の棺桶に納められ、ゆっくり別れを告げられない。息子は仕事中だろうから、嫁を通して告げるのも・・・と思って、アリスが誰にも連絡をしないうちに、階下の自閉症の少年、ダビットがやって来ます。

 ダビットとの出会いは一年程前のアパートのエレベーターの中。問いかけに全うな返事をしないので、ジュールさんが不躾と決めつけようとした彼が自閉症とカミングアウトしたのは、働き者の母親。

 座った姿勢で事切れたジュールさんをどうしようかと思いつつ、ダビッドの祖母、彼の母親の実母の具合が急に悪くなった、と言う不測の事態の為、ほかにケアをしてくれる人がいなくて困ると泣きつかれ、ダビットを預かる事になったアリス。

 記憶の中からジュールの浮気やあれこれを思い出し、時として心が揺れるアリスに対し、ダビットはジュールさんが死んでいて、今座っているのはジュールさんの外側、と短い言葉で本質を突き、アリスの動揺をさりげなくかわします。

 アリスはダビットの前では、ジュールの死を隠そうという作為が不要な事を知ります。一方、ヘルパーさんに来て貰ってもしばしば自閉症独自のパニックに陥ることもあるというダビットは死者が座っているリビングという、常人が仰天しそうな空間で、実に自然に居心地よく過ごします。

 死んでしまったジュールさんと、心ざわめくアリス、人の感情を感じ取る力は弱いダビットという三者が、普段と違う特異な場に揃う訳ですが、時間や物事に対するこだわりが強い一方で、人の思惑には動じない、常時には無表情でどう対処してよいのか分からない存在であるダビットの言動が思いがけない温かい雰囲気を生み出しています。

 短い作品ではありますが、愛憎を乗り越えて歳月を経た老夫婦が連れ合いを喪った日を描き、時として宇宙人に例えられる事もある自閉症者の存在、その飾らぬ直接的な言動が、一般的な礼儀を心得た人々よりもはるかに心を和ませてくれるという絶妙の時をも描いていて、興味深く、心に残る作品でした。続きを読む

kaikoizumi2005 at 11:55|PermalinkComments(0)

2009年02月02日

★自閉症ボーイズ ジョージ&サム



 イギリスのシングルマザーで3人の男の子の母である著者。離婚の理由はそうとははっきり書いていないけれど、やはり子育てをめぐる状況にあるのではないかと思う。

 長男のジョージ、二男のサムはそれぞれ現れ方が違うけれど、自閉症。極めて美しい容貌を持ちながら、自らの美質には無頓着な二人。故に、街に出てしまうと、車椅子や松葉杖を使っている人にだったら決して「ちゃんと歩きなさいよ」と言わない人から「親のしつけが悪いから」と言われたり、家の中が混乱したりと、普通の人では体験しないような大変さがある一方で、腹をくくってしまえば(これは、別に障がいのある子どもを育てている人のみならず、介護や、倒産等、何らかの困難を背負った人ならば共通かも知れないが)案外と良い面が見えていると励ましてくれる本でもあります。

 障がいや難病のある人の周辺が書いた本の場合、時として「この治療、この療育良かったんです!」というわき目もふらない頑固さを見かける場合がありますが、この本は「親の気持ちとして、何もしないで後悔したくないから試し、それなりの効果があったけれど、それは本当にこの方法がもたらしたものなのか、同時期の状況がもたらしたものなのか分からない。それにサムに効いても、ジョージに効いたかは分からない」とかなり客観的で、読み手が鼻白まないで済みます。

 これには、はたから見ると大変そうに思える、二人の、異なる現れ方をしている自閉症児の親である事が寄与しているかと思います。そして、三男の定型発達をしているジェイクとの比較も寄与しているでしょう。

 巻末に自閉症者のいる家庭にどんな援助ができるか書いてあります。ごくレアの事例ながら、障がいのある人が犯罪の容疑者となると、まるで全ての障がい者が恐ろしい犯罪を犯すといわんばかりの対応をする人もいますが、この本は、本当は、そういう人にこそ読んでもらいたいですね。(多分、そういうタイプは、よほどの奇縁がないと、手には取らないんだろうなぁと思うけれど・・・

 自閉症ならではの見方、感じ方を分からないながらも、一生懸命理解しようとして、それを淡々と描いている著者の表現方法にとても好感が持てました。時々「ひどい母親だと思うかも知れないけれど」と一般常識と離れた対応をせざるを得ない事に躊躇いを感じる著者に「そんな事ないよ、それでいいんだよ」と言ってあげたい気持ちになりました。(^_^) 近所に住んでいたら、絶対にお友だちになりたいなぁ。(あ、言葉の壁があるかぁ・・・・(^^ゞ)

 とても良い本で、もっと広く読まれて欲しいと思いました。

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kaikoizumi2005 at 15:39|PermalinkComments(0)

2009年01月29日

【図書カード】光とともに 14



 自閉症の光君の成長を描いたコミックの14巻目です。今回も図書券で購入。(^_-)

 夫の転勤に伴い義母宅で同居するようになった幸子さん一家。つましい建売住宅で庶民的な雰囲気で育った幸子さんにとって、結婚を反対した良家の姑とは光君の誕生時から色々ありましたけど、一緒になってみると、またまた色々と・・・

 一方で、光君の転校先探しでは、障がい児の親の苦労、学校のアタリハズレの問題などが描かれています。

 お姑さんは同居のストレスを解消すべく、ダンス仲間の誘いにのり八ヶ岳に暮らす変人の作家兼大学教授の家で過ごし、発達障がいの多様性を知ると共に、初めて他人に孫の障がいを打ち明けました。

 この下り、小淵沢の駅とか、八ヶ岳高原道路など、私の生息域が描かれてるので、テーマと外れて大いに楽しめました(結構正確に描いてるぞ〜とか(笑))。

 まだまだ連載は続きます。光君や幸子さんのように、障がいを持つ当事者やその家族は大変です。でも、コミックで描かれているように、頑張りが報われていく日本であって欲しいです。

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kaikoizumi2005 at 20:00|PermalinkComments(0)

2008年12月16日

★自閉っ子、えっちらおっちら世を渡る



 この本を自叙伝とするのはちょっと苦しいかも知れないと思いつつ、自閉症者であり、翻訳等を通して活躍しているニキ・リンコさんの凡人とは違う子ども時代から今に至る「世の中と渡りをつける」ユニークな方法まで語り下ろしている感じなので、まぁ、自伝「的」かなぁ・・という訳で教育・健康・福祉等以外のカテゴライズもしてみました。

 花風社の社長さん、浅見さんと自閉症者が対談というスタイルはこの本で何冊目かですけれど、凡人とは違う発想をするので、凡人からすると「??」となりがちなニキさんにとってのいわば通訳として、独特のワールドを解説してくれてるのであります。

 読んでいて思うけれど・・・世間では定型発達としてカテゴライズされているらしい私にだって、ニキさんの言うこと、すっごく理解が出来る部分がある。(例えば、これって、本当にそうしなくちゃいけないんだろうかと惑わされるような凡人の発言に対して、極端なジョークを発して不安を慰撫するとか、本をたくさん読んで学習してから現実に当てはめるとか、返事待ち、未決の案件を寝かしている状況が苦手・・・とか^^;) 

 ニキ・リンコさんが、仕事をして社会と接点を持っている人であるのが大きいだろうけど、よく言う障がいとは個性という風に思われてくる本なのである。

 特別支援教育の重要性が言われる今(の割に、予算が足らないじゃんという突っ込みは置いておくとして(笑))、凡人が、ユニークな個性を持つ人たちの感じ方や思いを知っておいて、共感できないまでも「それもありじゃん」と思えることは大事だと思うよ。

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kaikoizumi2005 at 11:53|PermalinkComments(1)

2008年11月12日

<自腹:図書カード>発達障害の子どもたち



 珍しく自腹(と言っても溜め込んだ図書カードで、ですが)で求めました。

 教育現場で増えているといわれる発達障がい。悩める親御さんも大勢いらして、巻末の方で明らかになりますが、著者の勤務先である公立医療施設では、な、なんと初診まで3年待ちです。このほかにも保険診療が効かず、高額な費用が掛かるのにも拘わらず初診待ちが1年以上という医療施設の話も聞いたことがあります。

 臨床の現場に長い著者の、ご本人と親御さんに許可を得て述べている(勿論、詳細は変えてあるようですが)事例の中には、当時としてはベストを尽くしたつもりでも、結果として力及ばずで本人に二次障害が出てしまって、あいすまなかったという事例もありますし、思いの他、順応が出来た事例もあります。

 要は本人のためを思うこと。これについては、今までの(今でも、ですが)教育界が障害児教育をおざなりにして来たことによる保護者の不信感も大きいようですが、色々な誤解があり、本人に負担が掛かってしまったり、逆に、本人裁量に任せるという美名の下の放任など、発達障がいの育ちに良くない影響を与えることが幅をきかせたり、一方で、これをやれば治る!という怪しげな療法があったり・・・

 投薬についても著者は丁寧な匙加減で多くの事例で改善が見られるので、薬依存、または薬嫌いにならず、医師の指示に従って欲しい旨を書いておられます。

 ただし・・・教育現場のみならず、医療現場に於いても現状のお粗末さが随所で併記されていて、(アタリハズレがあると言うことになります^^;)ハズレの事例も多く耳にしているだけに、保護者が自己流や、ドクターショッピングに走るのも無理からぬ事と思います。

 発達障がい=不治=不幸ではなくて、持って行きようで、治るというか、適応が良くなるという事を多くの事例と共に紹介しているので、読んでいて希望を持てる本ですが、同時に児童虐待がもたらす発達障がいという新たな項目があり、育て方次第で子どもの発達の偏りが大きくなる、また発達障がいのもっていきようで非行に走る傾向が大になる(決して、いわゆる定型発達の人と比べて犯罪発生率が高いという訳ではないので、そこは誤解しないで欲しいものの)という部分には、育ての難しさを感じました。

 結論として、発達障がいにかかわる人たちが、場合によっては本人自身も含め、真剣であれば救いのある本ですが、全く意欲や情報が欠乏している場合(当然、この本は手に取らないでしょうしね)に色々な意味でのリスクがあると述べてもいる訳で、より多くの人にこういう本を読んで欲しいものです。

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kaikoizumi2005 at 17:57|PermalinkComments(0)

2008年08月27日

★自閉症の僕が跳びはねる理由



 会話が出来ない自閉症者である著者が、筆談の方法を通して思いを伝えている本です。

 会話が出来ない重い自閉症者や障がい者が筆談や文字ボード、パソコン等を使ってしっかりした文章を綴ることにたいして、懐疑的になる人も多いとは思いますが、私は著者のシンプルな表現の中に自閉症者の思いが込められている文章は本物だと思いました。

 小難しい言い回しを使わず、実に的確に自閉症者から見た世界や、不思議に思える行動の理由を描いていて、その表現は美しい詩を読んでいるようです。

 章の間や、巻末で紹介されているショートショートや短編もとてもいい雰囲気です。

 以前、ビルガー・ゼリーンという重度自閉症の方がパソコンを使って書いたという本を読もうとした時は、彼の辛さが文章からにじみ出ていて辛くなって、先を読めなくなりました。

 東田直樹君も相当に辛い思いをしているようですが、でも、手をひらひらさせたり、水遊びが好きだったり、ジャンプしたり、逃げ足が速かったりと、一般人から見ると、不思議な自閉症者の行動にはこういう理由があるのだ、自分の体がいう事を聞かないとあり、なるほどと思わされます。

 勿論、自閉症は非常に幅のある障がいですから、たとえ傍目には著者と同じレベルの障がいに見えても、一人ひとりの感じ方は違うかも知れませんが・・・。続きを読む

kaikoizumi2005 at 00:22|PermalinkComments(4)

2007年12月13日

(自腹bk-1)光とともに 12巻



  自閉症の光君の出生時から始まったお話、本巻では中学生となり思春期真っ只中の光君と小学生時代を共に過ごした仲間達や苦手だったお姑さんとの関係などなどが描かれています。

 この作品の好きな点はきちんと取材を行い、自閉症を始めとする障がいや福祉や教育の現場で起こりがちな事を、障がいに対する偏見を減らし、特別支援教育や福祉に対する理解を求めるように描かれているところです。続きを読む

kaikoizumi2005 at 15:28|PermalinkComments(0)
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