畠中恵
2011年04月23日
★ゆんでめて
しゃばけシリーズ(第何巻目かはもう分からないです(笑))。
タイトルのゆんでめてとは「弓手馬手」の事なんですね。むか〜しほんのちょっとだけ弓道をかじったときに聞いた懐かしい言葉でした(右手が馬手、弓手は弓を持つ左手)。
この物語、若だんなが町を歩いていて見つけた小さな祠の前で行こうと思っていた方向と反対に行ってしまって運命が変わっていく様をタイムマシンで時を逆行するようなスタイルで描いています。
長崎屋に火事が出て、妖たちの中には二度と会えなくなってしまった者もいて・・・とちょっと切ないお話ですが、誰と会えなくなったかはネタバレなので、書きません。主要な妖のひとりだとだけ書いておきましょう。
病弱な一太郎にも、とうとうロマンスが芽生えそうな気配です。
kaikoizumi2005 at 18:57|Permalink│Comments(0)│
2010年03月04日
★ころころろ
市立図書館で数百人待ちの畠中恵さんのしゃばけシリーズ最新刊(だと思うんですけど、次の出てます?)。ラッキーな事に地区センターの棚にありました。地区センターや市民図書は穴場であります。
一太郎若だんなの目がある日突然いきなり見えなくなってしまった。それに関してはどうやら河童と神様がかかわっているらしいという事で、兄やたちが先立ちになって、妖たちと一緒に事件の解決をはかるというストーリーであります。
陽気な妖たちと、しょぼい神様など、登場人物というかあやかしたちの活躍が相変わらず楽しいですが、今回はフツーの人間、例えば、一太郎の親友で菓子屋の跡取りなのに餡子作りが滅茶苦茶下手な栄吉や、松吉兄さんなど、妖を見る事が出来ない、兄やたちにも怪しさを感じていないおなじみの人たちは登場しません。
kaikoizumi2005 at 22:04|Permalink│Comments(0)│
2009年09月01日
★こいしり
またまた借りてしまった畠中恵さんの時代劇作品。
以前読んだ「まんまこと」の続編です。お気楽な町名主の息子、麻之助。心に秘めた思いを抱きつつ、めでたくも親友の同心見習い、石部金吉な吉五郎の親戚、お寿ずと結婚。
もう一人の必殺遊び人、プレイボーイの親友、同じく町名主の息子である清十郎と3人で、色々な事件を解決する、ライトミステリー+ほのかな恋愛もの。
麻之助のちらっと思う人は清十郎の義母にあたるお由有。お寿ずに不満があるわけではないのだが、ついつい気がつくとその姿が脳裏に浮かんだりするものだから、開業後間もなく畳まなくてはならなかった寺子屋師匠の持ち物一式がリユースで他のお由有の息子、幸太の通う寺子屋に流れ、その中にあった反故紙の恋文にあった文字がおゆうに見えて、ひと悶着起こったりもする(が、無事に誤解は解けて、お寿ずが出した三行半は引っ込められ、かえって2人の絆が強まったりもしたのであります)。
また、吉五郎の武芸と、相手をムダに怪我をさせない強さに惚れこんだ両国界わいを仕切るイケメンの貞とその一味もしばしば登場、事件の解決の一助になったりもする。
お堅い一方の吉五郎と、プレイボーイの清十郎という極端なキャラクターと、親も嘆くほどちゃらんぽらんな麻之助が良いハーモニーを醸しております。
また、続きが出そう。
しゃばけシリーズの表紙イラストもかわいいが、まんまことシリーズの南伸坊さんの絵も味わいがあって、良いです。
kaikoizumi2005 at 17:19|Permalink│Comments(0)│
2009年05月25日
★いっちばん
図書館に予約を入れておいた、おなじみの「しゃばけ」シリーズの本。
今回は短編集。
初めて読む読者のために、登場する主要人物に対する説明がつくのが、うざいという人もいるかも知れないけれど、お蔭で忘れていたものを思い出す人も多いのではないでしょうか?(さらりと書いてあって、くどいという程じゃないし)
一太郎は今回も、超過保護な兄やたちから分厚い保護を受けて、発熱したり、具合悪くなったり、相変わらずのひ弱さではありますが、色々な事件の解決に当たるのであります。
どの話も面白いけれど、印象的なのは、壁のようにおしろいを塗っていた以前の登場人物、お雛が出てくるひなのちよがみ。実家の家業が傾いてきて、不経済な厚塗りをやめたお雛。婚約者となった正三郎と知恵をしぼって(もっとも、その知恵には若だんなのアドバイスがあるのだけど)立て直しをしようとしていたら、おしろいを落として本来の愛らしさを見せるようになったお雛に懸想した秀二郎という商売先の男が出て来て・・・というお話。
心的なものから白塗りになっていた自信のないお雛がイキイキと活躍しているのを見て、よかったなぁ〜と。
連作ものの楽しみは、贔屓の登場人物のその後が分かることですね。
気になるのは・・・幼なじみの菓子屋の息子、思いっきり餡子作りが下手な栄吉ですね〜。どんな事があっても、菓子つくりが好きと自ら分かったのは良かったけれど、その後、どうなるのでしょうか? いつかきっと著者が明かしてくれるのを楽しみにしてます。
kaikoizumi2005 at 22:00|Permalink│Comments(0)│
2008年06月07日
★しゃばけ読本
この本を芸能関係ジャンルにも入れてしまったのはフジテレビでドラマ化された時に主役を演じたジャニーズ系 NEWSの手越君と著者の対談なんぞがかなりのページを割いていたからでありますよ。
最近でこそweb上の画像を解禁しつつあるというものの、従来、主役を張りながら、一切キャスト紹介に実写の顔を出させなかったジャニーズ事務所ですから(そうだよ、大河ドラマのサイトを見てて、主役の義経の写真なんて表紙1枚しかなくて、すごいヘンだったぞ〜)、新潮社のしゃばけのコーナーでもこの部分は載っていないことでありましょう。
多くは新潮社のしゃばけコーナーにも載っているかと思うのですが、私、正直に言うと、個人のブログやサイト、あるいは、ネット専用のサイトを見る分には良いのですが、web上で書籍関係を読むのは超苦手です。んなもので、しゃばけブログも存在を知った時には既に色々な情報が集積していて、それを取り出して読むのが困難になっておりまして、こうやって本にまとめてもらって紙で読めるのは助かります。続きを読む
kaikoizumi2005 at 21:42|Permalink│Comments(0)│
2008年04月10日
★うそうそ
またまた借りてしまいました、しゃばけシリーズ。地区センターの図書コーナーの本棚で発見。ラッキー!
今回はいつも自宅の近くしか動けない、せいぜい遠くて上野のお山、と言った案配の若だんなが箱根の温泉で湯治をする事となり大張り切り。お供にしっかり者の兄で手代の松之助やおなじみの妖の兄や達、勝ち抜き戦で袖の中に入った鳴家達を従えて、楽しい旅になるはずが…
勿論、そうはなりませんで、最初から兄や達の姿が見えなくなるは、一度も温泉に入らないうちに攫われるは、天狗に襲われるは、地震に見舞われるは、可愛い童女に団栗を投げつけられるは…
期待通りのてんやわんやの大騒動が巻き起こります。
今回、インパクト大賞と言うべき登場人物は雲助の新龍と童女の比女ちゃんでしょうか。
彼らが何者か、どうして湯治の筈が攫われてしまったのか、などなどはネタバレになるのでやめときます。
知りたい人は読んでくださいね。('-^*)/
kaikoizumi2005 at 17:40|Permalink│Comments(0)│
2008年03月17日
★まんまこと
はい、またまた読んでしまいました。畠中恵さんの作品。
今回の主人公は16歳で失恋したのが元で、それまでの「希望の星」状態から、一気に「お気楽」「頼りない」息子と豹変した町名主の息子、高橋麻之助であります。幼なじみでやはり名主の跡取り息子で、美形、メッチャモテの八木清十郎と、清十郎とは対照的な石部金吉状態の下級武士で同心見習い中の吉五郎がいて、事件というかトラブル解決にあたっては、3人寄れば文殊の知恵状態・・・とはいかぬまでも、謎解きやら、それぞれの得意技を活かして解決にあたるのであります。
他の作品同様、1章ずつの短編集なので、楽しく読めます。この作品集では、麻之助の想い人、つまり、大変身のきっかけを作ったのが誰か、というのは直ぐに割れてしまいますが、巻末には吉五郎が持ち込んだ、自分の又従妹と、麻之助の縁談話がどうなるのか・・・ちょっと気になります。
これも、また若だんなシリーズみたいに続々と続くのかな?
それにしても、よく色々と江戸の町模様を描くことが出来ると感心します。
kaikoizumi2005 at 20:35|Permalink│Comments(0)│
2008年03月13日
★おまけのこ
この巻では、なんと若だんなはとうとう吉原へお出かけです・・・と言っても自称商談の場として吉原を使う父親が不憫がって連れて行ってくれたというだけで、初楼としてはありえない歓待をして貰ったというだけですが(笑)。
吉原ではかむろの足抜けを手伝う羽目となり、兄い達を心配させますが、結局は人ならぬ身の兄いたちの怪力離れ業で丸く収まります。
鳴家(やなり)が主人公のタイトル作も、若だんなの特異能力と優しさが現れていてなかなか良いです。続きを読む
kaikoizumi2005 at 15:22|Permalink│Comments(0)│
2008年03月12日
★ねこのばば
一気読みその2。今度は兄いの一人、豪腕の佐助の人となり、いえ妖となりを語っています。
弘法大師によって生まれた犬神佐助。大師もなくなり何回か名前を変えて人にそって暮らしたものの、基本的に孤独。そんな佐助にとって、やっと居どころを得た若だんなは何より大事な存在。
大甘の両親に加え、どうして兄い達も大甘なのかが、ぬしさまへと併せてよ〜く分かります。
前巻で登場した腹違いの兄、松之助、おなじみの栄吉や甘党で袖の下を貰うのが大好きな岡っ引きも要所要所で現れますが、長崎屋ほか大商人たちの魔よけに霊験あらたかな僧侶、寛朝の輪郭もはっきりします。
kaikoizumi2005 at 23:40|Permalink│Comments(0)│
★ぬしさまへ
地区センターで借りて来て、一気読みした最初の本です。
ぬしさまへというのは恋文。受取人は若だんなの兄いの一人、イケメンの仁吉。その恋文をよこした主が殺人事件に巻き込まれ・・・という事で、この巻では、仁吉をめぐる話が大きいです。
そもそも仁吉がなぜ若だんなのそばにいるのかも・・・これはドラマの「しゃばけ」でもネタを明かしたように記憶していますが、若だんなの祖母である皮衣様への思いがあるから・・・と、人に立ち混じっては、大事な若だんなを守るだけで恋心なんてどこへやらの仁吉の本性を教えてくれます。
また若だんなの幼なじみで菓子作りがメッチャ下手な栄吉との友情、今回も欠かせません。
kaikoizumi2005 at 15:06|Permalink│Comments(0)│