格差社会
2011年02月14日
★歌うクジラ(上)
村上龍の近未来小説。
「半島を出よ」が非常にリアリティのある筋運びだったのと対照的に、こちらはSF仕立てです。
タナカアキラと言われる新出島出身の少年が、クチチュという毒液を出す種類の端正な顔立ちのサブロウさんと一緒に島を出て、今の世の中の指導的立場だと言われるヨシマツを探しに行くという冒険譚。続きを読む
kaikoizumi2005 at 12:00|Permalink│Comments(0)│
2010年09月04日
★下流の宴
失礼ながら、成り上がり!って感じがしていたので、最近はあまり好きじゃなかった林さんの本だけど、テーマがテーマだからと手に取ってみました。
すると・・・やられた!
やっぱりうまいです、この方。
なんかね〜、非常に身につまされるって方多いのではないでしょうか?
ぶっちゃけ、自分の身の回りには結構こういうタイプいます。自分もちったぁ主人公の一人、由美子さんの気持が分かります。だって、ワタシャ、高度経済成長期にあって、そこそこ貧しい中、まあまあ頑張ってやって来たのに、ナンだ、うちの息子たちは!って思いますもの。^^;
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kaikoizumi2005 at 23:00|Permalink│Comments(0)│
2009年04月18日
★ルポ 貧困大国アメリカ
市民図書の棚で発見。新書としてはかなりのベストセラーのようですが、本が書きあがった時にはサブプライムローンの破綻で、アメリカ経済はもとより世界中が深刻な状況に陥っており、タイムリーな本として迎えられたのでしょう。
映画「シッコ」でもアメリカの医療保険制度の悲惨さが紹介されており、この本でもシッコの事は言及されていますが、結局のところ、セーフティネットは最前線の危険地帯に行かされる軍隊しかないというのが、なんともやりきれない事態です。アメリカンドリームを掴めるのは、有色人種でも既に恵まれていた人たちであり、違法な、と冠された最近の移民にはそのチャンスすらないようです。
日本でも今セーフティネットがガタガタで、貧困ビジネスというあこぎな商売が成立し、弱いものいじめもいいところです。アメリカより日本は30年遅れていると言われていましたが、グローバリズムの掛け声にさっさと腰を上げた結果、タイムラグは非常に狭まっています。
今も深刻な状況が続いており、予断を許しませんが、戦前の赤貧洗うが如くの貧乏レベルの国民が結構いるという格差社会に戻ってはいかんと言う警告を読み取りたいものです。
kaikoizumi2005 at 21:11|Permalink│Comments(0)│