富田玲子

2008年05月05日

★小さな建築



 これもまた書評を見て予約を入れました。東大卒の才媛が建築家となり、チームを組んで作り上げて来た作品を通して、現在の林立する高層建築の効率性重視の欠陥を語っています。

 確かにねぇ・・・摩天楼型の建築物は整然としていますが、無機質な感じがします。働け!と鞭を打つ音が聞こえて来る感じがしたり、聞いても何も答えてくれない無愛想で警戒心の強い都市の人間と似ている、というか、そういう建物からそういう人間が出てくる感じはします。

 風や緑などを跳ね除けるのではなく、取り込む事で、人と共生する感じの建築を著者は「小さな建築」と呼んでいて、現代建築の鋭角的な形を見慣れた身には、あれ〜?と思う程ユニークで(凸凹しています)、無駄が多そうに見えますが・・・血の通った人間的な建物のように思われます。

 意外や意外、ユニークな建築物を建てた著者自身の家は、合理性の高いセキスイハイムM1なのでした。そのM1を今に至るまで家族で住みこなしている様子も面白いです。

 施主のためと言いながら、実は儲けるために、下手に手をかけた建築物なら、いっそのことシンプルにというのが著者のコンセプトなのでしょう。続きを読む

kaikoizumi2005 at 22:38|PermalinkComments(0)
記事検索
オンライン書店なら・・・
Amazonもあるでよ。
紀伊國屋書店オンライン店
ずっと愛用しています。
Archives
最新コメント
甲斐小泉が編集協力しました!
QRコード
QRコード
楽天市場