リベルタ出版
2011年03月04日
□「紙」と共に去りぬ
自称「零細出版人」である著者が、リベルタ出版のホームページのタイトルページに掲載したコラムをまとめた本。
タイトルが「紙」と共に去りぬ(「風と共に去りぬ」のもじりですね)で、帯に「紙の本をレッドデータブックの載せないために!」とありますので、出版をめぐる話が多いのですが、それ以外に強く感じるのは、リベルタ(Liberta)という出版名、およびリベルタ子という名乗りからして、リベラルな思考の持ち主と思われる著者が、日本の前途に危機感を抱いている様子が伝わって来ます。
出版業界は売り上げ不振で、この10年ほどの間にも、かつての著名雑誌等が次々に休刊していますが、一方で、グーグルが片端、出版物をスキャンして事件となったのも、まだ古い記憶にはなっていません。飛ぶ鳥を落とす勢いといわれたグーグルのような世界企業がずさんなチェックの上、廃刊本をいつでも読めるようにというお題目の下、著作権無視の暴挙に対する怒りを表明する一方、本来、印刷製本までして出版する必要もないのではないかと思われる書籍の発行に対する疑問も呈しています。続きを読む
kaikoizumi2005 at 15:53|Permalink│Comments(0)│