ジュエリー

2009年07月27日

★阿修羅のジュエリー



理論社のヤングアダルト向けのよりみちパンセシリーズの本。新聞の書評で知りました。

初夏の上野の国立博物館の特別展に人が押し寄せたと言う阿修羅展。日本で最も人気のある仏像のひとつで、私も大ファンですが、その凛とした表情や三面六臀のポーズばかりに見とれずに、彼が身にまとう衣服や、とりわけアクセサリーに注目しましょう、と言う内容です。

ヤングアダルト向けと言う事で、こんなに毎度毎度ルビが必要なの? 私の子どもの頃には何度となく出て来た漢字には途中からはルビが無かったわよ、と(事実誤認、あるいは記憶の書換の可能性はありますが)うるさく思う部分が一貫してつきまとってはいましたが、内容はヤングアダルト向けどころか、大人に充分読み応えのあるものでした。

かいつまんで言ってしまうと、阿修羅のジュエリーの特徴から始まり、古代オリエントなどに起源を持つ花の意匠がシルクロードを経由して日本に伝わり、また十字軍の遠征や交易を通してヨーロッパにも伝わったと言う事。

特に明治維新後には西欧の文物が憧れの対象となり、西欧風を取り入れたとされるジュエリー、アクセサリーも洋の東西の長く深い交流の賜物である事を順を追って検証。

ページの途中には有名な絵画や彫刻の写真などが挟まれ、変遷を見て納得出来るようにもなっています(いかに有名絵画でも、本文中に説明が無い生首を抱えたルーカス・クラナッハのユディットの絵は勘弁して欲しいリアルさでした(><;))。

携帯ストラップなどのジャラジャラ系のアクセサリーが人を引き付けてやまない理由は生命力の証だから………なる程でした。


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kaikoizumi2005 at 17:02|PermalinkComments(0)
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