アスペルガー症候群
2011年02月07日
□大人の発達障害がわかる本
本が好き!の献本です。
発達障害という概念、近年広く知られるようになりました。学級崩壊やら凶悪な少年事件など、あまり芳しくない理由で知られるようになった一方で、大人の発達障害というのも、片付けられない女で有名になりました。
この本は主に大人になってから、社会生活を営む上で不都合が生じ、自身に発達障害の疑いを持った人に向けて書かれています。大人になるまでしかとわからなかった、ということはつまり、子どものころはどこかで違和感を感じつつも、何とかなっていたという訳で社会福祉のネットに引っかからなかった方たちです。
中には自分がうまく行かないのは発達障害のためと努力不足を棚にあげるのに使ったり、あるいはアスペルガー症候群=天才的な人=だから自分も本当はすごい人なんだ!などという都合の良いきめ付けで、妙に安心してしまったりするケースもあるようですが、特に対人面での行きづらさを抱えており、それにより欝等の二次障害に陥るケースもあるために、発達障害が専門の精神科医を受診し、投薬を含む治療をしたほうが良いそうです。
発達障害の傾向を探るためのチェックリストがあるので、気になる方は試してみたらよいと思いますが、あくまでも目安なので、本当に発達障害かどうかは素人判断をしてはいけません。
もちろん、職場など周囲でも「もしや」と発達障害が疑われるような言動のある方がいる場合も、勝手に決め付けはしないこと。(ただし、この本に書かれているような配慮はしてみても良いのではないのでは?と個人的に思います)続きを読む
kaikoizumi2005 at 17:07|Permalink│Comments(0)│
2010年11月22日
★大学生の発達障害
少し前の週刊誌の見出しに「東大生にアスペルガー症候群の学生が」というような事が書いてありました。とうとう、東大でも発達障がいの支援を開始するようです。
が・・・状況を知る人間にとってこれは当然ともいえます。なぜならアスペルガー症候群など、自閉症系の障害の場合、記憶力がダントツなために現在の受験制度に対し、非常に適応の良い人が結構いるからです。
東大に限らず、著名大学に進んだのに、その後がうまく行かないという人の中には発達障がいを持つ人も含まれるようですが、彼らの苦手はコミュニケーションであることが多いようです。
また、一方で、自主性に任せる授業の取りかたや細かいノウハウが分からず、単位をとり損ねたりする学生もいるようです。
悪気なしに、本人の特性から、はたからはKYに聞える発言をしてしまったりして、浮いてしまいがちな部活やサークルに代表される人間関係でも工夫が必要ですし、テストなども過保護にはせず、配慮が必要なケースも多いようです。続きを読む
kaikoizumi2005 at 20:44|Permalink│Comments(0)│
2010年09月23日
2010年03月04日
★続 自閉っ子、こういう風にできてます!
図書館で予約。随分と待ちました(こういう地味系の本は入庫数が少ないので、打順が遅くなります)。
自閉症のひとつ、アスペルガー症候群のニキ・リンコさんと藤家寛子さんが、出版社社長の浅見さんと共に、自身もアスペルガー症候群のお子さんを持つお医者様の岩永竜一郎さんと対談して、自閉症者の特徴と、どうやって順応して行くかを、サブタイトルどおり、もっぱら「自立のための身体づくり」の面から説いている本です。
感覚が鋭敏だったり、逆に鈍感だったり、自閉症の現れ方も人それぞれですが、身体感覚も人によってかなり違うようです。また、集団を大事にする体育指導の結果、運動嫌いが多いなど、自閉症の人にとっては、義務教育時代のみんな一緒! 同じじゃなくちゃダメという指導法はかなりきついものがあるというのも分かりました。
基本的に、体力的にタフじゃない人も多いようで、パッと見分からない障がいは、内臓などに疾患や障がいがある人と同じく、周りの理解を得るのが難しい一方で、生活には大変さが多いという事がよ〜く分かりました。
この本、ぜひぜひ教育現場の方たち、ならびに福祉業界、医療業界の方に読んで貰いたいですね。(勿論、一般の方にも・・・。特にサービス業や、学校で「?」というタイプのお子さんとわが子が接しているかも知れない親御さんたちにも)
kaikoizumi2005 at 22:26|Permalink│Comments(1)│
2009年12月14日
【自腹ー図書カード】アスペルガー症候群
9月に出て、もう8刷。最初に刷った部数が何冊か存じませんが、相当な売れ行きでしょう。Amazonでも現在905位であえります。
自分の身近にもいそうなアスペルガー症候群の特徴と、もって行き様では、残念な事になる一方で、こんなに能力を発揮できるという事例を著者が見た実例と、過去および現在の偉人の中で、どうやらアスペルガー傾向がありそうだという人をピックアップして紹介。
エジソンやビル・ゲイツがその傾向があるらしいというのは知る人ぞ知る話ですが(エジソンはADHDではとも言われる)、他にもこんなにいるのね〜!と驚かされます。
が、一方で、実際の自閉症やアスペルガーの出現率が圧倒的に男性が多いという事はあるにせよ、そして、過去には女性がビジネスや政治で成功したという記録が少ないにせよ、女性の例がテンプル・グランディン博士位しかないというのが、この本の大きな欠点かも知れないなぁと思った次第です。
女児のアスペルガー傾向のあるお子さんを持つ親御さんや、指導者、そして、本人にとっては、憧れたり、親しみを感じられる事例がないので、書いてある療法や接し方などについては普遍的なものの、ちょっとガッカリではないでしょうか?(敢えてよく言うと、著者の現職が京都医療少年院勤務なので、発達障がいを十分に理解してケアしてもらえなかったために犯罪を犯してしまった事例を多々見ておられるはずなので、女児の犯罪例が少ないと推測し、ホッともできる訳ですが・・・^_^;)
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kaikoizumi2005 at 16:17|Permalink│Comments(1)│
2009年10月15日
☆僕の妻はエイリアン
僕の妻はエイリアン 「高機能自閉症」との不思議な結婚生活 /泉流星/著 [本]
Yahoo!ショッピング(ヤフー ショッピング)
高機能自閉症(アスペルガー症候群)の著者が、夫の立場に立って書いた本。文中で夫婦は「妻」「夫」と呼び合い、固有名詞は出ない。
妻の変なっぷりに戸惑い、時として爆発しそうな夫の思いを、ユーモア溢れる文章で書いている。それが戸惑わせている当の本人であり、相当な文章力、ならびに書いている限りには人の心が読み取れてるじゃんという違和感があるので、ますますもって、アスペルガー症候群って、な〜に?という事になるのであるが、それはそうとして・・・
分かる、分かるのだ。 と思う人、結構いるんではないでしょうか?
かく言う私も、実は電話苦手。喋っていると悪気は無いのに失言をしてしまったり、人によっては「あの人は話を難しくするから苦手」と敬遠されたり(そういう話、何人からか小耳に挟みました。現状、私と付き合ってくださる方は自身も理屈っぽい話が好きか、あるいは、どうでも良い話は流せてしまえる人かです)「妻」と似た状態をしばしば体験しております。 おまけに文章に関しては割とうまく処理できるから、会ってみてもいい人かと思えば、どうやらそうじゃないらしいですし・・・(苦笑)。
ある友人は「これって、私って結構可愛いじゃんというプチ自慢系」と若干批判っぽい感想を抱いていましたが(たしかに「夫」君の寛容さは羨ましい限りです)、私は、何と言ってもアスペルガー症候群の生き辛さを感じました。
ひとついいなぁと思ったのは厳しい躾をしたという著者の親御さんですが、決して彼女を否定しなかったこと。それで彼女は時として重篤な欝になりつつも、現在生き抜けているのではないでしょうか。そこんところ「あんたはダメ」と変わり者ぶりをビシバシ打たれ続けた私は、かなり自信喪失してしまったので、羨ましい点です。
kaikoizumi2005 at 18:45|Permalink│Comments(0)│
2008年12月16日
★自閉っ子、えっちらおっちら世を渡る
この本を自叙伝とするのはちょっと苦しいかも知れないと思いつつ、自閉症者であり、翻訳等を通して活躍しているニキ・リンコさんの凡人とは違う子ども時代から今に至る「世の中と渡りをつける」ユニークな方法まで語り下ろしている感じなので、まぁ、自伝「的」かなぁ・・という訳で教育・健康・福祉等以外のカテゴライズもしてみました。
花風社の社長さん、浅見さんと自閉症者が対談というスタイルはこの本で何冊目かですけれど、凡人とは違う発想をするので、凡人からすると「??」となりがちなニキさんにとってのいわば通訳として、独特のワールドを解説してくれてるのであります。
読んでいて思うけれど・・・世間では定型発達としてカテゴライズされているらしい私にだって、ニキさんの言うこと、すっごく理解が出来る部分がある。(例えば、これって、本当にそうしなくちゃいけないんだろうかと惑わされるような凡人の発言に対して、極端なジョークを発して不安を慰撫するとか、本をたくさん読んで学習してから現実に当てはめるとか、返事待ち、未決の案件を寝かしている状況が苦手・・・とか^^;)
ニキ・リンコさんが、仕事をして社会と接点を持っている人であるのが大きいだろうけど、よく言う障がいとは個性という風に思われてくる本なのである。
特別支援教育の重要性が言われる今(の割に、予算が足らないじゃんという突っ込みは置いておくとして(笑))、凡人が、ユニークな個性を持つ人たちの感じ方や思いを知っておいて、共感できないまでも「それもありじゃん」と思えることは大事だと思うよ。
kaikoizumi2005 at 11:53|Permalink│Comments(1)│