ノンフィクション
2008年04月12日
★普通の家族がいちばん怖い
正月やクリスマス等は女性、主婦だけがになうと押し付ける意図は全く無いけれど、と注意書きをしてあるが、子どものいる主婦に画像と定性アンケート(数字だけでは計れない文章を書く部分のあるアンケート)で、主にクリスマス、お正月の食卓を中心に、いかに昨今の日本で伝統を受け継ぐという部分と、食生活が崩壊しつつあるかを検証した本。
読んでいて、本当に恐ろしくなりますよ。
確かに・・・この本のアンケート対象の中では「年配」になっちゃうだろう私でも、思い当たる節は多々あるんです。
例えば、買って来たものでそれらしくなるクリスマスは楽しいけれど、何かとせわしないのにあれこれそろえなくちゃいけないお正月は面倒だと思ってみたり、お正月とは義父母宅でお祝いしてもらうから、自宅はちゃらっとでいいと思っていたり。それに独身の頃、母とは御節を作った記憶がありますが、義母の味についてはお任せで、干渉するのは悪いし、習う気もない・・引いては、今書いたように「義母」と呼ぶ距離感、などなど。
嫁ぐ、とか、婚家という意識が薄れてきたのは仲良し夫婦と称される団塊の世代くらいからのようですが、私なんぞは、親の年代から言って、ギリギリ古い考えが残っている世代かと思います。で、アンケートを受けた中では若手層というのは、団塊ジュニアなんですよね。続きを読む
kaikoizumi2005 at 14:00|Permalink│Comments(0)│
2008年01月11日
△ホームレス入門
市立図書館のリサイクル書棚で水曜日にゲット。
2000年頃の上野の森のホームレス事情を書いたものを2005年に文庫化。そして、今それからまた少し時間が経っているのだが・・・・
著者が折々に嘆息と共に書き付けている悲観的予言(?)、楽観的に外れてくれていたら嬉しいのだが、実態はアタリ以上にアタリ。続きを読む
kaikoizumi2005 at 13:28|Permalink│Comments(0)│
2007年12月04日
★裁かれた罪、裁けなかった「こころ」
寝屋川市で起こった広範性発達障がいの少年による教職員殺傷事件に関わる裁判の記録である。
当然ながら、被害を受けた関係者からの直接の取材は出来ず、傍聴や記録、弁護側や証人の取材を基にされているが、ここで浮き上がってくるのは、検察側と、弁護側の意識のずれである。続きを読む
kaikoizumi2005 at 23:06|Permalink│Comments(0)│
2007年08月25日
□おしゃべり目玉の貫太郎
おしゃべり目玉の貫太郎
- 鈴木 公子
- 講談社
- 1470円
livedoor BOOKS
書評/健康・医学
最初、本の紹介文を読んだ段階では、もしかして、読んでいて辛くなってしまうのではないかと恐れる部分があったのだが、一読して、てきぱきという言葉が相応しいメリハリの利いた文章に引き込まれてしまった。
誰が聞いても大変ね、という状況に突如陥った著者。連れ合いで、バリバリの技術者だった貫太郎さんが職場ゴルフで転倒した結果、重篤な障がいを持つ身となってしまったのだ。ロックトイン症候群、意識はあっても、体の自由がままならない、いわば肉体という狭い牢屋に閉じ込められたような状況で、そう長くないうちに亡くなるだろうと医師からも宣告され、人生が180度変わってしまった家族の中で、嘆いてばかりはいられないと、動き始める著者。
経済的に恵まれていたという好条件はあったとはいえ、、介護の大変さは並大抵ではなく、周囲も介護をしている側が先に倒れるかも知れないと気遣ってくれる程であるし、息子や婿の突然の悲劇を受け入れるのに難儀する老親、ついつい介護の助け手として期待してしまった娘からの手痛い反抗、加えて義父の認知症発祥等、どうして我家だけが・・・と叫びたくなる状況が次々と起こる鈴木家。続きを読む
kaikoizumi2005 at 23:59|Permalink│Comments(0)│
2007年08月15日
★私は三年間老人だった
アメリカって国は町内会の仕切り屋タイプみたいで(自分ちの事には干渉させないくせ、よそんちの事には首を突っ込んでくる)いやだな〜と思うこと多々なのだけど、こういう本を読むと、アメリカ人の持つチャレンジ精神に拍手を送りたくなる。続きを読む
kaikoizumi2005 at 19:48|Permalink│Comments(0)│
2007年08月08日
□世界がキューバ医療を手本にするわけ
世界がキューバ医療を手本にするわけ
- 吉田 太郎
- 築地書館
- 2100円
livedoor BOOKS
書評/ルポルタージュ
発展途上国らしい。ソ連崩壊後に残った少数派の社会主義国。カストロと言うカリスマ独裁者かいる。観光不適格そう。我々が抱きがちなキューバのイメージはこんなところだろうか。
そこでこの本を読むと、ソ連崩壊やアメリカの制裁措置等により物質的には決して豊かではないのに医療分野での豊かさに驚かされる。アメリカの締め付けに対する苦肉の策として出来た最新技術もあるが、家庭医によるきめ細かいケア。著者に寄ると佐久総合病院に代表される信州の医療に近いものがあると言う(長野県は男性平均寿命日本一である)。続きを読む
kaikoizumi2005 at 21:13|Permalink│Comments(0)│
□高校野球が危ない!
高校野球が危ない!
- 小林 信也
- 草思社
- 1365円
livedoor BOOKS
書評/ルポルタージュ
昨夏の甲子園でのハンカチ王子ブームは記憶に新しいが、強豪の球児の特待生制度が物議をかもした事は曖昧化し、また夏の甲子園球場が燃える季節がやって来た。自身が高校時代に野球部員として過ごした著者の問題提起は誰が一人に責任をなすりつけて済ませられる程簡単なものではない。続きを読む
kaikoizumi2005 at 19:50|Permalink│Comments(0)│
2007年07月22日
2007年07月02日
□英国機密ファイルの昭和天皇
英国機密ファイルの昭和天皇
- 徳本 栄一郎
- 新潮社
- 1470円
livedoor BOOKS
書評/ルポルタージュ
タイトルからは昭和天皇に対する徹底的な追及を想像したが、実際は昨今、スタイリッシュとか硬骨漢等、何かと評判の白洲次郎氏や、戦後のワンマン宰相と言われ国葬が営まれた吉田茂、昭和天皇の弟君の秩父宮殿下。加えてイギリス側では日本との開戦を回避すべく尽力した駐日大使クレーギーらが描かれ、同じ時代を生きた人々の群像という感じであるが、私が子ども時代にはまだ存命だった人たちについては、語られるのがタブーだったせいもあるのだろう、かえって知らないことも多く、私には興味深い内容だった。続きを読む
kaikoizumi2005 at 22:00|Permalink│Comments(0)│
2007年06月09日
□マイノリティーの拳
マイノリティーの拳
- 林壮一
- 新潮社
- 1470円
livedoor BOOKS
書評/ルポルタージュ
日本では先ごろ「ロッキー6」のスタローンの衰えを知らぬ活躍が話題になったが、イタリアの種馬のリングネームで果敢に黒人チャンピオンアポロに挑戦する「ロッキー」が初作で大評判になったのは、ボクシングにおいて、圧倒的に活躍するのが黒人やプエルトリカンというマイノリティであり、非WASPでハングリーなイタリアンとはいえ、白人ボクサーが頭角を現すという設定に、アメリカのマジョリティである白人たちが快哉を叫んだからという出だしの部分を読んで、単純にアメリカンドリームの物語だから、あの映画はヒットしたと思っていた自分の想像と違う世界があると知らされた。続きを読む
kaikoizumi2005 at 20:33|Permalink│Comments(2)│