2019年09月09日

2019年、夏の八ヶ岳の図書館通い その2

 続きです。

 その後、金田一春彦記念図書館にも行きました。

 カード1枚でたくさん借りられて、返却期限も3週間でしたか。横浜市の図書館より太っ腹なのは助かります。

 (横浜市も最近、地区センターの図書コーナーでは1枚のカードで借りられる冊数増やしてくれたのが助かります💛)

田舎暮らしに殺されない法 (朝日文庫)
丸山健二
朝日新聞出版
2011-05-06



 ここまで年金生活が厳しくなる前に上梓された本なので、まだ年金受給が良かった頃の定年退職者に対して、安直な田舎暮らしを戒める内容です。

 今どき、そんなに安直に田舎暮らしを考えられるのはレアでしょうという感じですが、田舎の人付き合いについてはいまだに変わらぬポイントをついている、というのは地縁があり、当地で楽出来ている方だと思う私でも感じているので、それでも田舎にという方は一読されるとよろしいかと・・・。




 現上皇が天皇在位中のお言葉で、久々に生前退位をされることになったという時点で書かれた本。NHKなどでおなじみのAKBオタクの本郷先生の分かりやすい本です。

 山に来る前、この先生と、井上章一さんの対談本の「日本史のミカタ」にも、退位について書かれていたので、だぶるところもありましたが、上皇や法皇出現により治天の君が天皇ではなかった時代の大混乱があったのの二の舞を恐れての生前退位無しになっていたようであります。




 今回、滞在中に読んだ本の中で、1番おっかない本だったかもです。どんなミステリー、怪談話よりそくそくとこわい。

  私の貧脳が解釈したところを手っ取り早くまとめれば、就職氷河期世代という今問題になっている世代を出現させたのは、企業が自分らの生き残り最優先で、若者を使い捨てにしたから。その結果、婚外子は限りなく少ない日本において、結婚出来ない→子ども生まれないというパターンが出来てしまった事。

 また政府は声の大きなマス票田である高齢者の意向ばかりを取り上げて、若者、子育て世代に対しては、こま切れの小手先制作ばかり(低予算だし)を行って来た。

 それらにより、出産可能世代の分母がどんどん縮小していったので、今更少子化だと言っても、もはや手遅れよという絶望的な内容。

 だからと言って、安直に、移民政策するなよとくぎを刺しています。

 そういえば、夏休み中やってきた息子(ゆとり世代で、卒業年次が就職難(^-^;)も「自分のすぐ上の世代がすっこぬけている」と申しておりました。

 高度経済成長期だのバブルだのと言って日本がブイブイやっていた時代は極めて短いです。衰退していく日本は落日の大英帝国くらい、いやそれが無理なら、スペイン、ポルトガルくらいのレベルで収まるのでしょうか?




 これ、うっかり再読しました。右から左へ抜けていたのですね。東横イン歌舞伎町の店長だった方の本です。

 現職がライバル会社であるスーパーホテルのお客様担当の元締めというのが・・・なんとも言えません。東横イン、引き抜かれたのかぁ。

 蛇足ながら、スーパーホテルの料金体系と部屋のつくりに馴染めず、それにレディースメンバーの有利な特典に惹かれて、断固東横イン党です。(^^ゞ

妄想かもしれない日本の歴史 (角川選書)
井上 章一
KADOKAWA/角川学芸出版
2011-02-25



 先述の本郷先生と対談した井上章一さんの本。

 一部、日本史のミカタとかぶったのは共著者である本郷先生の本に同じく。

 ひらがなが大変に多い独特の文体、師匠である京大の先生の影響だったんだぁと、何かの折に思いました。遠縁なので、つい甘くなるのかとも思いますが、私には読みやすいです。ですが、読んでいる最中は面白いと思ったのに、毎度のことながら右から左でした。

  また来年手に取ってしまうのかも(;^ω^)




 若い女性好みのカラフルで手に取りやすい本。再読感あるんですが・・・(;^_^A

 観光的なことも書かれているけれど、おおもとはきっちり押さえているのは淡交社の本ならでは感あります。

 京都本と言えば、淡交社と光村かなぁ。

刑罰0号 (文芸書)
西條 奈加
徳間書店
2016-08-12



 久々の西條奈加作品。奇想天外だった金春屋ゴメスから始まり、著者の作品はしみじみ系時代物が多いと思っていたので、これは自分にとっては異色でした。

 人道的にどうかと思われる死刑の代わりに考案された刑罰が0号。人の意識に入り込み、被害者の味わった苦しみを加害者の脳裏に再現するという過酷な刑。だけど・・・と話が展開するのです。

 う〜む、爆読み出来たのだが、また右から左だ。困った脳みそ。こんな刑罰が出来るなら、人の脳の退化を防ぐ技術も欲しい。

誰のために法は生まれた
木庭 顕
朝日出版社
2018-07-25



 鶏脳向けな本ではなかったです。

 古典文学やギリシャ喜劇などを題材に、法学者の著者と横浜の桐蔭学園の有志生徒(ときに先生)が語り合って、法や政治とは何ぞやを説く本だけど、桐蔭の生徒さんたちは優秀だぁというのが分かっただけかも💦。

 文章の中に、自分の日ごろの語彙にないものが何度も重ねて登場するだけで、自分は一気に理解度が落ちるというのもわかりました。で、その後はアプリオリでした。トホホ

おどろき京都案内京都ここだけの話・その参 日経プレミアシリーズ
日本経済新聞京都支社
日本経済新聞出版社
2014-02-22



 また京都か。おまえはどんだけ京都本が好きなのか!
 
 と言われれば、へ〜い。だって分かりやすいんだもん、と上記の鶏脳にはよくわからず、読んだというよりは実態は流した本との対比において思います。

 日経新聞社京都支局の面々が仮託した人物に語らせる京都に関する対談の体裁です。知ってることもあったけど、知らないこと、やっぱりありました。





 また本郷先生の本かよ、と言われそうですが、本郷先生と井上章一さんの本って、鶏脳にも分かりやすく書かれてて、読んだ瞬間は理解できたと思わせてくれるところが好きなのです。

 自分が理解力ないおバカだと(実際はそうだとして)ぐいぐい思わされる本より、一瞬でも理解できたと錯覚できる本の方が楽しいもんね〜。

 トータル的に見て、鎌倉幕府は源氏のものというより、北条氏のものだったと読める本で、北条の深慮遠謀がよくわかる本でした。

 そして骨肉の争いほど恐ろしいものはないといわれるけど、有能な他人は許しても、有能な身内だからこそ切るの理屈も分かりました(だから、平気で自分の孫子を葬ってしまうのか・・・権力、あな恐ろし)。

 以上が8月中に読了できた本たちでした。

 その3として9月になってというのを続けたいと思いますが・・・はてさて?







kaikoizumi2005 at 10:48│Comments(0) 読書つれづれ 

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