2016年08月19日
八ヶ岳での読書
アンチ安倍政権の二人の対談で、読んでいると、これから日本が向かいそうな方向性について、非常に深刻になります。考え過ぎじゃないの? ナイーブだよ(悪い意味で)の声も聞こえてきますが、本当に考え過ぎだったら幸いです。 歴史が好きな私が今まで読んできたものや見てきたドキュメンタリーなどを振り返っても、あまりに重なることが多すぎる、戦前の日本の人命軽視と、始まったら止まらない戦争へののめりこみと反対者への非国民呼ばわり、ナチスドイツの最初は合法的を装いつつ独裁路線へ走ったノウハウにぞっとするわけです。
それで、自分の周囲には(私の論調から反論できないだけということも考えられますが)現政権を手放しで称賛している人はひとりもいないのに、どうして選挙では勝ってしまうのか・・・もちろん、棄権により支持基盤がしっかりしている党が強いというのは大きいにせよ、この本を読んで、トップダウンの、いわば独裁的なありようが効率的で利益を生むとみなされた会社組織しか知らない壮年層(30〜40代)の主に男性が安倍政権のやりように違和感がなく支持するというのが、非常に腑に落ちました。
そういえば、ネット上で安倍政権に疑問を持つコメントをあげる人が50代半ば以降、または若年層が多いように感じられ、間の壮年層の男性は、そういう疑問を冷ややかに見ていたり、批判したりしているように思います。
それから、次に読んだのが
直木賞候補にもなったお医者様作家が書いたというので、なかなか面白いし、読みやすい本だと思ったのですが、途中からどっちらけ気分になってしまいました。
というのは、編集者がちゃんと仕事をしていない、実にぼろいミス記述が私のようなド素人が見ても3か所も見つかったので。
1か所目36ページ 後白河法皇のページ:安徳天皇が壇ノ浦で入水したのはわかるが、崇徳上皇は讃岐で呪いながら死んだというエピソードは有名。一緒に入水しているようにしか読めません。
2か所目107ページ 徳川家治 父の名は家重と別ページ家重の項目でも書いてあるのに、家定が父となっている。
3か所目184ページ 初代若乃花 人気兄弟力士の親はこの人ではなく弟の元大関貴ノ花。
こういった簡単にわかるドミスがあると、全体の信ぴょう性がはなはだ薄れますし、ほかに自分が知らないだけで同じような嘘が書かれているのではないかと疑いの念をもってしまうので、読んでいてしらけました。高齢になった著者の記憶間違いもあると思いますが、そこをチェックするのが編集者というもの。もう少しきちんとした仕事をしてください・・・とKADOKAWAにメールしちゃいましたよ。
面白い本だけに、いい加減な記述が水を差し残念でした。このミス、著者に対しても失礼だと思うんですよ。
そして、もう1冊は
相変わらずわかりやすい池上さんの日本を取り巻く世界情勢本。対談などもあります。 先述の「意地悪」化する日本でも、参院選では、恐らく焦点を経済などにもっていき、勝ったら改憲を言い出すだろうと福島さんが述べていますが、池上さんも同じようなことを書いていて、残念ながら、当たってしまいました。
「意地悪」化する・・では、シールズの動きなどもあり、参院選では与党が議席の2/3を取らないのではないか、取らせないのでは?という希望的観測もありましたが、残念ながら、嫌な予感の方が当たってしまいました。
というより、どちらの本でも述べられているように、報道が政府意向を忖度する、政府はアメリカの意向を忖度するということで、国民の幸せというのは、完全に棚上げになっているのではないかと思われます。
少数が大多数の富を握り、そのほか大勢は黙々と働けばいいと、かつて文化庁長官を務めた三浦朱門氏も違う言葉ですが、大意は同じことを言っていましたね。
一番弱い人でも快適に、矜持を保って暮らせる国がいいと、「意地悪」化するで、内田樹さんが述べておられるのと真逆な方向性に走る日本はどうなるのでしょうか?
「「意地悪」化するでは、ジョージ・オーウェルの監視社会を描いた1984が引き合いに出されていますが、私はウェルズの古典的SF「タイムマシン」のように、イーロイとモーロックのように地球民が二種類(もちろん、富裕層は自分らがイーロイの側と言いたがるだろうけれど)になってしまうというのが絵空事に思えなくなっています。
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それで、自分の周囲には(私の論調から反論できないだけということも考えられますが)現政権を手放しで称賛している人はひとりもいないのに、どうして選挙では勝ってしまうのか・・・もちろん、棄権により支持基盤がしっかりしている党が強いというのは大きいにせよ、この本を読んで、トップダウンの、いわば独裁的なありようが効率的で利益を生むとみなされた会社組織しか知らない壮年層(30〜40代)の主に男性が安倍政権のやりように違和感がなく支持するというのが、非常に腑に落ちました。
そういえば、ネット上で安倍政権に疑問を持つコメントをあげる人が50代半ば以降、または若年層が多いように感じられ、間の壮年層の男性は、そういう疑問を冷ややかに見ていたり、批判したりしているように思います。
それから、次に読んだのが
直木賞候補にもなったお医者様作家が書いたというので、なかなか面白いし、読みやすい本だと思ったのですが、途中からどっちらけ気分になってしまいました。
というのは、編集者がちゃんと仕事をしていない、実にぼろいミス記述が私のようなド素人が見ても3か所も見つかったので。
1か所目36ページ 後白河法皇のページ:安徳天皇が壇ノ浦で入水したのはわかるが、崇徳上皇は讃岐で呪いながら死んだというエピソードは有名。一緒に入水しているようにしか読めません。
2か所目107ページ 徳川家治 父の名は家重と別ページ家重の項目でも書いてあるのに、家定が父となっている。
3か所目184ページ 初代若乃花 人気兄弟力士の親はこの人ではなく弟の元大関貴ノ花。
こういった簡単にわかるドミスがあると、全体の信ぴょう性がはなはだ薄れますし、ほかに自分が知らないだけで同じような嘘が書かれているのではないかと疑いの念をもってしまうので、読んでいてしらけました。高齢になった著者の記憶間違いもあると思いますが、そこをチェックするのが編集者というもの。もう少しきちんとした仕事をしてください・・・とKADOKAWAにメールしちゃいましたよ。
面白い本だけに、いい加減な記述が水を差し残念でした。このミス、著者に対しても失礼だと思うんですよ。
そして、もう1冊は
相変わらずわかりやすい池上さんの日本を取り巻く世界情勢本。対談などもあります。 先述の「意地悪」化する日本でも、参院選では、恐らく焦点を経済などにもっていき、勝ったら改憲を言い出すだろうと福島さんが述べていますが、池上さんも同じようなことを書いていて、残念ながら、当たってしまいました。
「意地悪」化する・・では、シールズの動きなどもあり、参院選では与党が議席の2/3を取らないのではないか、取らせないのでは?という希望的観測もありましたが、残念ながら、嫌な予感の方が当たってしまいました。
というより、どちらの本でも述べられているように、報道が政府意向を忖度する、政府はアメリカの意向を忖度するということで、国民の幸せというのは、完全に棚上げになっているのではないかと思われます。
少数が大多数の富を握り、そのほか大勢は黙々と働けばいいと、かつて文化庁長官を務めた三浦朱門氏も違う言葉ですが、大意は同じことを言っていましたね。
一番弱い人でも快適に、矜持を保って暮らせる国がいいと、「意地悪」化するで、内田樹さんが述べておられるのと真逆な方向性に走る日本はどうなるのでしょうか?
「「意地悪」化するでは、ジョージ・オーウェルの監視社会を描いた1984が引き合いに出されていますが、私はウェルズの古典的SF「タイムマシン」のように、イーロイとモーロックのように地球民が二種類(もちろん、富裕層は自分らがイーロイの側と言いたがるだろうけれど)になってしまうというのが絵空事に思えなくなっています。