2012年10月07日

□自分の「怒り」と向き合う本

私にとって、この本が画期的なのは、怒りと言うのは、本来は自分の気持ちや意志を伝えるための一手段であると認識させてくれた事です。

今までは、著者が述べているような、多くの人が抱きがちな思い込みをしていました。即ち、怒りとは、大声で怒鳴ったり、威嚇したりと言うマイナスイメージを持っていました。よって、怒りを表出する事は人格未熟で恥ずべき事、でも、その恥ずべき事をしなきゃいけないように仕向けて来る相手が悪いんだ!とますます怒る悪循環にも陥る事がたまにありました。

特に子育てをしていると、子どもを怒るのではなく、叱るのが正しいと言う論をマスコミや育児書で見、加えて子育て上手な人生の先輩からも聞かされるから、なおのこと、怒りを抱く事は、本来はあってはならないと思い込んでいました。

そういう思い込みがあると、どうなるかと言うと、顔で笑って、心で泣いていたり、怒っていたりと、怒りの感情を押さえ込んでしまい…………とうとう、堪忍袋の緒が切れて、一番やりたくない、みっともないと思っていた大爆発をやらかしてしまうのです。

私の経験から言うと、怒りの大爆発をしてスッキリとするどころか、メチャクチャ疲れます。それは本書の後半に書いてあるように、激怒とは問題に対処しない無責任な行動であると、自分でも薄々分かっているのも大きいと気付かせて貰いました。

この本では、従来型の押さえ込んだ挙げ句に大爆発させる怒りでも、しょっちゅう、何事につけても怒る沸点の低い怒りでもない、正しい怒りの方法を教えてくれます。

先ずは怒りの原因を述べていますが、自分の領域に踏み込まれたり、セルフケアが出来ていないからと言った理由もありますが、著者によると、怒りの地雷を抱えてしまう場合、根源に抑圧された過去の怒りがあり、特にアダルトチルドレンなど、生育歴に問題を抱えている場合に怒りの連鎖がもたらされるとあります。

アダルトチルドレンが、自らが薬物中毒やギャンブル中毒になりやすいのと共に、そういう伴侶を持ちやすく、散々ひどい目にあわされていても、離れられない事は知られていますが、それは、彼らが心に空虚感を抱え、何かを埋めたいからだそうです。

余談ながらと言う感じの章の終わりのページに色の付いたコラムで、著者も該当する援助職(看護、介護や、カウンセラー、セラピストと言った人びと)で働く人の中には機能不全な家庭で育って来た人が多いように思う、という内容にはうなずけるものがありました。

後半は怒りをコントロールするアンガーマネジメントの紹介で、ここで初めて共著者にアメリカ人の名前があるのかがわかりました。

メンタルケアについては先進的なアメリカのプログラムで、日本語に訳すと怒りを抑えるためのセラピーとなるアンガーマネジメントを受けると半年ほどと三十万円ほどかかるそうです。

それが商売(失礼!)として成立する程、キレやすいタイプの多いアメリカ人と、怒りを押さえ込んでしまう日本人の違いも書かれていて、文化の違いも感じさせられました。

アンガーマネジメントの最大の治療は、自分でも気がつかない未完の仕事に手をつける事。本当はその場その場で対処して片付けておかなくてはいけなかったのに、その場しのぎをした為に怒りとなって積もっていたものに手を付ける事なのです。

最終の二章に渡り、 怒りのマネジメントの細かいノウハウが紹介されています。エクササイズと書かれているように、深呼吸したり、子ども時代の自分に手紙を書いたりする事で、本当の自分の気持ちと向き合う事が大切のようです。逆に言うと、そこまで遡らないと分からない程の古傷となった怒りを抱いている人が少なからずいると言う事なんですね。

怒りを溜め込まないためのスキルとしてのアサーティブ・トレーニング(率直な自己表現方法の訓練)も紹介されていて、よくありがちな、上手に依頼を断れず不承不承受けた事で積もる怒りを防ぐノウハウが紹介されています。

逆に怒っている人への対応ポイントも書かれています。

とにかく、激怒に至らない為には、自分の抱いた怒りの原因を知り、冷静に対処する事で、正しい怒りは高度なコミュニケーション能力であると分かりました。

ただね…………私の周囲の年長者中にはレアながら、正しい怒りの表し方で対応しても、全然分かってくれない大変おめでたい方もいらっしゃいますので、最後通牒としてブチ切れ威嚇をしないで済む方法を考えたいと思います。


kaikoizumi2005 at 13:20│Comments(0) 携帯からの投稿 | 教育・健康・福祉等

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
記事検索
オンライン書店なら・・・
Amazonもあるでよ。
紀伊國屋書店オンライン店
ずっと愛用しています。
Archives
最新コメント
甲斐小泉が編集協力しました!
QRコード
QRコード
楽天市場