2012年01月12日

★視えるんです。



子どもの頃から霊視体験を積んできた自称霊感マンガ家、伊藤三巳華さんの体験の数々をコミカルにまとめたマンガです。

が、霊の姿だけは、劇画調にリアルっぽくおどろおどろしく描かれていて、お化け屋敷的気分を味わえます。いや、もし地の部分から劇画調ならば怖すぎて読めないかもで、デフォルメされた著者や、チンピラとあだ名されている除霊能力のある友人をはじめとする登場人物のかわいらしさに救われているとも言えます。

霊の存在については、信じる、信じないは人それぞれかと思います。

どこぞの自称霊能者のように「あんた、畳の上じゃ死ねないわよ」云々と脅しつけたり、霊障をネタに高い高い壷や印鑑を押し売りするような輩は、もとよりインチキだと思いますが、私自身は幸いにも(?!)見えないけれど、守って貰えたと言う事を自分と子どもに起きた出来事から感じましたので、んなもの絶対いない!とは思いません。

連れ合いは人は死んだらそれっきり、死後の世界も霊もいないと言ってる割に、親に頼まれ、毎年神社仏閣にお札を納めに行き、昨年義父が亡くなった折りには、棺に故人が好きだったせんべいを入れたので、不謹慎ながら、言ってる事とやってる事が違うじゃん、と思ってしまいましたが、多くの日本人は、頭では霊なんていない、見える訳ないと思っていても、自分のご先祖様と言う霊は守ってくれると思っていたりするのではないでしょうか?

三巳華さんは、霊が見える事をマンガと言うメシのネタにはしていますが、それで人をどうこうしようという部分は全く無く、たまたま(かなり頻繁)遭遇観察記録と言う感じゆえ、かえって信憑性を感じます。

中には鴨川ホルモ−の茶巾絞り顔の鬼のようなインパクトは無いけれど、ホタルのような妖精との出会いの話もあり、妖精のいる場所は、幽霊の出る場所と違って、いい感じと言うのが、面白かったです。


思えば数多の芸術も霊、或いは霊的なものに触発されており、日本が世界に誇る源氏物語なぞ、生き霊さえご登場ですが、三巳華さんはストーカーのような生き霊はカラフルと描写しているのも、ぞっとしつつ興味深いです。

除霊能力の無い彼女は霊が見えてないふりをしてやり過ごさないと、ふっと入られたりしかねないようで、チンピラさんの出番です。


何らかの思いを残して亡くなった方、自分の死を自覚していない方などが霊として漂う、或いはいつく事が多いようで、最近読んだ京都のお坊さんによる「怪談和尚の京都怪奇譚」でもいくつかのエピソードが載っていました(京都、鎌倉と言った古都や古戦場は霊絡みのエピソードが多いようですね。合戦時の武田信玄の御座石が残る八ヶ岳の我が家の近所………時々視えてしまう人がいるそうです(-.-;))。



あれこれ考えると、やっぱり有りだよねと私は思いますが、ありがたい事にどんくさいと言うか、多分、幽霊にも逃げられるようなタイプゆえ、見えないんだと思います。

災害や事故、戦争などで亡くなった方々の事を考えても、人は死んだらおしまい、では解決がつかない事があまりに多いですし、見えない、科学的に証明出来ない物は全否定では陰陽に富んだ豊さと言うか味わいが無いですから、その点でも霊の存在は有りに一票ですが、それを理由の脅しには、例え悪徳商法的なものではなくて、個人的な因習レベルの言い回しでも、悲しい思い、辛い思いをしている人を傷つけるならば断固ノーと言いたいです。

見えない私だけど、この本に書いてあった鎌倉の某所に寄るのはやめておこう(笑)。


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kaikoizumi2005 at 07:30│Comments(0) 携帯からの投稿 | コミック・コミック風エッセイ等

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