2012年01月10日

★雑草と楽しむ庭づくり



 正月明けの地区センターの新着本コーナーで、ラッキーにもめぐりあった本です。

 私にとっては楽しい、楽しい本です。

 というのは、私め、高校時代の八ヶ岳で祖母に尻を叩かれ状態で、春先から霜が下りるまで草むしりなど、雑草と格闘の日々を過ごしたのですが、その時に実際に見た、触った、引っこ抜いた、かきとり、名前を調べた懐かしい面々が多々登場するからです。

 普段から、道端の草の名前を知ってると、友人たちから呆れられるのですが、どの草が抜きやすくて、どの草がしつこいかなども知ってますし、どの草が雑草らしからぬきれいな花を咲かせ、どの草が触ると痛かったり、葉に虫がくっつくかなども体感しておりました。

 それだけに、市の管理地である隣接ののり面や、集合住宅の我が家の駐車場の裏手などを刈り取りにくる業者さんの中には、な〜んにも知識がない人がいるらしく、無残な刈り取りをしてしまう事が多いのが悲しかったのですが(野のユリや、ナンバンギセル、シラン、萩、ホタルカズラなどが自生し、季節ごとに花を咲かせてくれるのです)、著者によると、普通の人は雑草は雑草とひとくくりらしいですね。


 実際にオーガニックな造園業をしている人ならではの、観察と実体験から得たユニークな分類(地を這うタイプ、丸っ葉、つるもの)や、雑草に対する基礎知識編などが網羅されていて、カラー写真入りの前半の図鑑的な部分についてはかなり知っていましたが、後半の肥料や土壌、道具の事などなどは、さすがにプロ。知らない知識がいっぱいありました。

 特に、除草剤で土壌がやせてくるのは知っていましたが、有機肥料とは、土を良くする微生物のえさであって、植物そのものに栄養を与えるものではないのだ、とは目からうろこでした。

 合間合間のミニコラムも楽しいです。たとえば、カラスノエンドウ、スズメノカタビラ、イヌノフグリなど、動物が頭にくる雑草の場合、大きな、小さな、役に立たないなどという意味合いが込められている事が分かったり、ふきはトイレットぺーパーになる(用●後にお尻を拭いたのが語源だとか)し、そのグレードはその関係の達人によれば(なんと、糞土研究会なる組織があるそうです)、5段階評価の4でトイレットペーパーの3より上なんだとか・・・ちょっと試してみたくなりましたな(笑)。

 元々は園芸品種として、あるいは農作物として海外から移入されながら、今は悪者扱いの要注意外来生物。

詳しくはこちらのサイト(http://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/caution/list_sho.html)に載っているようですが、八ヶ岳時代にも、テツドウグサやヒメジョオン、ハルジョオン、セイタカアワダチソウなどなど、外来系は手ごわいと思いましたが、実は日本から海外に渡った葛、あちらでペストプランツなどと呼ばれて、一晩で車を覆っちゃったなんていうエピソードもあるそうです。はなはだ不謹慎ながら、日本は外来種にやられっぱなしだと思っていたので、ちょっとだけ・・・本当にちょっとだけ小さな声で快哉・・・(葛は日本では葛根湯の原料になったり、葛粉などに使うのだから、ペストとか言わないで活用したら良いのにと思いますけれど)。

 雑草と野草との境界は微妙なようですが・・・・好き、きれいだと思ったら、自分の中では雑草ではなくなるのではないでしょうか。

kaikoizumi2005 at 22:30│Comments(0) 生き物、植物系 | 実用書

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
記事検索
オンライン書店なら・・・
Amazonもあるでよ。
紀伊國屋書店オンライン店
ずっと愛用しています。
Archives
最新コメント
甲斐小泉が編集協力しました!
QRコード
QRコード
楽天市場