2011年12月14日

★「富士見」の謎



富士山というのは日本人にとってかなり重要な存在のようです。

 以前読んで面白かった地理のムックでも富士山のために大々的にページを割いていましたし、私のような富士山可視圏の在住でも、富士山が見えるとその日がとてもラッキーに思われますし、つい目をこらして見てしまいます。富士山が日常的に見えない地域にお住まいの方にとってはなおさら感慨深い存在かも知れません。

 その富士山が見える一番遠い地域はどこかというのを可視地域を持つ都府県について、カシミールというソフトを使って検証。著者自身や篤志家による写真という証拠と共に披露してくれています。一方で、可視地域なのに見えない「消え富士」のラインなども掲載していて、なかなか面白いです。

  お隣の県にもかかわらず我が家からは「消え富士」となってしまって見えない富士山、何と和歌山県や福島県からも見えるのですね。


 まず富士山可視地域の都府県別に紹介。カシミールによるデータ上で見える事になっているという事で、いまだ検証されてはいない京都なぞも紹介されています。

 続いて、都内の富士山についてが大きな章となっていますが、こちらは建築物等から見えるのではなく、路上から見える(道路の延長と考え橋はOKだが、鉄道のホームなどはNG)富士山のかつての見どころが今どうなっているか。新しい見どころなどが多くの写真と共に紹介されています。かつて高層建築がなかった時代の富士山は東京からは見放題だったのが、今は非常に難しくなっているというのは納得です。

 葛飾北斎の富嶽三十八景の図柄、有名な「桶屋富士」。俗に言うトンネル富士(木の洞から、トンネル、モニュメントまで、何らかの額縁を通して見える富士をそう呼ぶのだとはじめて知りました)の元祖だそうですが、何と、実は富士山はその画の元となっている地点からは見えないのだそうです。どうやら南アルプスの一部ではないかと言う話ですが、見えないものを北斎がなぜ描いたのか・・・地名が富士見原だったから、素直に見えなくても見えるものとして描いたのか、それとも分かっていたのか・・・ちょっとしたミステリーですね。

 ほかにも赤富士として有名な「凱風快晴」や黒富士の「山下白雨」などはどこから見た富士山なのか・・・など謎解きたっぷりで、楽しめます。

 最後に乗り物から見える富士山と題した章があります。乗り物には自動車も含まれるので東名高速道路、中央高速道路など私にとってはなじみ深い場所も紹介されていて、より一層親しみを感じながら読めました。

 富士山を追う、という行為で、こんなに大きな楽しみが広がるのですね。人に語る程の趣味と言えば、とかく道具購入などにお金をドカンとかけて行うという風潮がありますが、こういう一見して地味なコツコツ系の趣味、奥深くて、極めて行くのには実は行動力を要し、とても素敵な事だと思います。

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kaikoizumi2005 at 19:30│Comments(0) 歴史・地域情報 | フォトエッセイ類

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