2011年01月24日

★スーザン・ボイル 夢かなって



 NHKのニュースで「美声のオバサンに熱狂」というおよそNHKらしくないテロップのついた話題を見て、YOU TUBEを見て、スーボの劇的デビューを見た一人です。

 皆さん、ご存知のように2009年の紅白歌合戦にはゲスト歌手として出演、その一方で、奇妙な言動についても報道されていました。

 この本はそのスーボのオーディション番組への登場から、その後のいわば舞台裏を取材して書かれた本です。

 見た目不細工な(失礼!)身なりも構わずにパッとしないオバサンが舞台に登場。観衆はブーイング。彼女が「エレイン・ペイジみたいな歌手になりたい」と言った時の無理だろうという笑い。審査員ですら「ミソが出て来た」という態度などなどから、歌いだすと、一転、場内が静まり返り、大絶賛に変わるという劇的場面をご覧になった方は多いと思いますが、シンデレラ以上のシンデレラストーリーと言えると思います。
 
 一躍スターとなったスーボがメンタル面で不安定になってしまったことも有名ですが、それには彼女の生い立ちが大きな要素になっていたようです。

 実はスーボはいわゆる発達障害。子どもの頃には日本で言う個別支援級に在籍(かつては特別学級と呼ばれていました)。若い頃には結構可愛らしい容貌をしていたスーボに対し、親御さんは変な男に騙されることがないようにと、いわば隔離状態にして育てられたようです。知的レベルは親元にとどまって、親御さんの世話をするのには十分だったのですが、親御さん亡き後、放心状態となったそうです。

 亡き母の助言もあり、何とかしなくちゃと応募したのが、あの「ブリテンズ・ゴッド・タレント」だったのです。その後は 「ブリテンズ・ゴッド・タレント」の審査員、音楽評論家のサイモン・コーウェルの支えもあり、精神的動揺を乗り越え、歌手活動を続けているようです。

(スーボはかつて、やはりオーディション系の番組に出たことはあるのですが、その番組は純粋なオーディションと言うよりは司会者のための冠番組。見事に振られてしまい、教会ボランティア等で、細々と美声を披露するに過ぎない状態でした)

 勿論、本人の歌唱力の素晴らしさあってのシンデレラストーリーですが、スーボの生い立ちを知ると、スーパーシンデレラストーリーと呼びたくなります。

 日本でもこんな話があると、元気が出ますね。とりわけ、発達障害の当事者や、その周辺の方々にとっては嬉しい話だと思います。勿論、パッとしない中年オバサンである私にとっても、すっごく元気の出る話でした(笑)。

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kaikoizumi2005 at 18:10│Comments(0) 自叙伝・人物評伝等 | 音楽・芸能関係

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