2011年01月28日

□ウェブ時代の音楽進化論



 本が好き!の献本です。

 IT時代になり、様々な事柄が変わって来ていますが(私が1番感じるのは、待ち合わせのルーズ化でしょうか。時間厳守しないと連絡のつけようがない、頼りになるのは文字がギッシリ書き込まれ余白もなくなっている駅の伝言板だった時代・・・今や遠い過去の話ですよね〜)、音楽も例外ではないというより、音楽こそが顕著に変化を遂げるであろうという事を、著者は今までの音楽の変遷を経ての類推と、IT化に寄って起こりうる事態を絡めて予想しています。

 予想と言っても、予言的なあやふやなものと言うよりは、かなりの度合いでほぼ起こり得そうな事柄に思われました。

 ネットの発達により、今までは専門的訓練を積んだ人や、秀でた才能を持つ人だけが広義のビジネスとして音楽に携わっていたものが、これからは、儲ける必要のない、非ビジネスでありながらも、多くの人に支持されるフュージック(自由な音楽:free+music)という形で流布するであろうと述べています。
 
 現状のポップスでは歌手と楽曲が切り離しがたい状態になっており、先ず第一に歌手あるいはソロ演奏者がメインになっているのが、ちょっとした技術があれば、高額機材も必要ではなく、歌声さえ合成出来てしまうフュージックでは、作り手が第一になるとも述べています。

 また、文学に於いて、本歌取りや、民話の様々なバージョンが現れたように、音楽に於いても、オリジナルを元に、様々なバリエーションが現れてきて、それも、また表現の一つとして認められるようになるだろうとも述べています。

 音楽好きな素人にとっては、非常に楽しい時代がやって来ると思われる一方で、プロとして音楽活動をして来た人たちにとっては、試練の時がやって来るという見方も出来るかも知れません。

 近未来に起こりうる出来事を畳み掛けるような文体で予測しており、なるほどと思わされるのですが、時として「江戸時代には武士が軍事を担当していたが、明治時代に入ると日本人全員が軍隊に入る」と言った、粗く、明らかに事実と相違した不正確な表現をしている箇所があるのが気になります。また、いわゆる帰納法的書き方というのでしょうか。かなり無機質な感じのする文体で、親しみが持ち難いのも残念に感じました。

 興味深い論なので、十分に吟味した言葉を使って、もう少し読み手を意識したあたたかみのある言葉で書かれていたら、納得度が深まったことと思われ、惜しいです。

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kaikoizumi2005 at 17:55│Comments(0) 音楽・芸能関係 | 評論・社会事象評価

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