2009年08月02日

□授業の開始に爆弾予告


授業の開始に爆弾予告
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書評/ミステリ・サスペンス


 本が好き!の献本です。

 私にとってすっかりお馴染みのアメリカ人の中流の良識的主婦、ルーシー・ストーンが大活躍するコージーミステリー。

 今回は子ども達が通う小学校で爆発事件が起こったのが発端となり、障がいのある子どもを救って一躍ヒロインになったやり手の若い副校長を巡って、臨時アルバイトとして、町の週間新聞に記者になったルーシーが活躍します。

 ヒロインとなった副校長キャロルは、毀誉褒貶の激しい人物。そのやり手な言動で保護者の多くに信奉される一方で、職場では惨憺たる評判。なんだかうそ臭いところがあるとルーシーが不審に思ったものの、間もなく自宅のおしゃれなアパートの一室で彼女の死体が発見されます。

 さて、犯人は、苛められ、どうやら不当解雇された様子の用務員さん? 彼が解雇された事で、彼を大好きだったルーシーの娘は落ち込みます。しかし、上の子どもたちの学校教師で部活のコーチ。熱心で公平で、信望の厚かった教師が容疑者とされてしまい、絶対に有罪と言わんばかりの扱いを受けてしまい、上の子ども達が落ち込みます。

 キャロルの身辺には、彼女を讃えて、女性の鑑と歌った、いささか胡散臭そうなオレ様男で、教育委員の席についた牧師や、子どもの手が少しずつ離れて来て、空の巣症候群になりそうと、履修を始めた大学の講座の講師、女たらしらしいなどなど、一癖も二癖もありそうな人物が現れ、一方で、鼻ピアスの転校生、お行儀は良いけど、謎めいたランスが長女のエリザベスと親しくなり、夫のビルはイライラするし・・・

 アメリカを踏襲した日本ですが、この本を読むと、生活の細部はかなり違うと分かります。

 学校の年次のスタイルは勿論、例えば、ルーシーが気に入った臨時の職場は週刊新聞の編集部。締め切り後に特ダネがあると、残念!というスタイル。ニュース性のない無料の週刊もの(主にスポット紹介や、地元の話など)と、新聞程のお手ごろ価格とは言いがたい週刊誌しかない日本では先ず考えられないスタイルですね。

 また、大変だ、大変だと思いつつ、ルーシーがこなす家事。彼女はかなり勤勉なタイプのようですが、日本女性が和洋中華に時としてエスニックにまで手を出さざるを得ない料理の苦心から思うと、ふだんの料理の簡単さは私ですら、「そりゃ、楽でしょうよ」と言いたくなるほど簡単ですね〜。
 
 何事も車がないと回らないというのは、日本の非都市と同じですが、家事のための省力化のために使っている電力使用量などは、日本より多そう。

 一方で日本以上に大変そうだなぁと思うのは、子どものために割く時間の多さ。熱心な保護者と、そうではない保護者の行動、意識格差は日本おより大きそう。その非熱心そうな保護者の子どもと思しき存在が転校生のランスなんですが、彼の正体は巻末のお楽しみ。

 今回のルーシーは真犯人捕縛の大手柄を立てますが、道中、危うく不倫を仕掛けたり、まぁ、色々ありました。それもこれも、母の日だけ大事にされて、後は便利に使われる存在という、日本の主婦が抱きがちな気持ちを持っている事が根っこにありまして、かつてはお手本だったものの、日本より女性の立場が恵まれているとは言いがたいらしいアメリカの主婦の実情に共感を感じてしまったりもします。

 レスリー・メイヤーのルーシーシリーズはどれも面白く、今回もまた一気に読めてしまいました。

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kaikoizumi2005 at 22:28│Comments(0) 小説・物語 

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