2008年12月11日

★おそろし



 新興の袋物屋、三島屋に使用人として住み込むことになった訳アリの姪、おちか。実家で起きたある事件のために心を閉ざしていたのだが、叔父が留守の時に相手をした客から聞いた面妖な話をきっかけに、叔父が用意した白黒の間で、様々な話を聞き、自らの閉ざされた心がだんだんにほぐれていくというお話。

 人間というのは、本当に怖いものや不思議な話が好きなんだなぁと思わされる作品であり、しかも、その話が千夜一夜物語や、○○物語集と言ったように集積していくと、益々ぐいぐい引き付けられるのだと改めて思う。

 おちかをめぐる事件については、だんだんに明らかになり、客達の話と、おちかの身の上の二つが奇異な話なので、推理小説とは違うタイプではあるが、謎解きの面白さが味わえる。

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kaikoizumi2005 at 22:00│Comments(0) 小説・物語 

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