2007年06月28日

□借りたカネはやっぱり返すな!


借りたカネはやっぱり返すな!
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書評/ビジネス

 前著を読んでいないので、タイトルの過激さから一瞬非合法的な借金逃れのノウハウ集かと思ったが、最初に「借金などで死ぬな!」という力強いメッセージがあり、借金の返済不能という人生の絶体絶命の危機に思える事件でも、思いつめずに冷静に、よき相談相手を得て対処すべしとある。(よき相談相手とは著者のようなプロということになる)

 実例としては中小企業の社長さんや、自営業のケースがあげられており、あくまでも、頑張っているのにうまくいかなかった事例にのみ対応が出来るという事であって、当然ながら、自身のだらしなさで借金を重ねた人に対してはうまい話はない。また、個人の住宅ローン破綻に対するノウハウは実例の中で家を競売にかけられないで済ます方法という部分から掬い取るしかないようで、幸いな事にというべきと思うけれど、私は「これは自分には直接的に役に立つ本ではない」と思った。

 ただし、何かの折に連帯保証人を頼まれた時の断り方や、クレジットカードのリボルビング払いは絶対に損で、特に学生がうっかりリボ払いで商品を買ったら、最初から借金返済でサラリーマン生活が始まるというあたりは、誰にでも役に立つ情報だと思った。加えて 先進国では殆ど実施されていない連帯保証制度も一部例外を除き不要になりつつある事や、金融庁ホームページに債権者の横暴なふるまいを書き込むと、かなりの効き目があるというあたりも素人が知らないいざという時のお役立ち情報だと思った。

 また、私自身にも経験があるが、例えば家族や自分が保険を使わなくてはいけないような事態になった時、非常に慌てて、落ち込んでしまうものだが、それも冷静に対処していけばどうにかなるように、なかなか遭遇する機会がない督促や差し押さえ等の言葉におびえて、暗闇に幽霊を見てはいけない、必ず何とかなるとの言葉も、生きていくうえでの心構えとして役に立つと思う。
 
 印象的だったのは、憂鬱を押して先手必勝で金融機関にコンタクトを取ることや、再生にかける情熱を訴えることがリベンジへのポイントになるという部分と、例え地獄の連帯保証制度を使ってしまっていても、債務者と連帯保証人が一枚岩で当たれば道は開けるといった部分だった。前向きで頑張るのは、撤退したり、会社をたたんだりと言った一見後ろ向きな時にこそ必要。でも、なかなかそうは出来ない一般の人にとってはどうしても専門家の助けを得たほうが良いという事になる。

 正直に言えば、会社経営ととても遠いところにいる私にはすんなりと分からない制度がいっぱい紹介されていて、実際に自分が返済不能などの大ピンチに立たない限り、この本に書かれている詳細なノウハウは咀嚼できないと思うが、いざというとき、こういう考え方もあるし、こんなことも出来ると知っているのと知らないのとでは雲泥の差が出ると思う。義理や人情のしがらみで、不要な保険に入るくらいなら、この本を一冊手元に置いておいて、非常事態になったら引っ張り出すほうが余程役に立ちそうだ。

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kaikoizumi2005 at 17:55│Comments(0) 実用書 

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