1945年のドイツ
2009年07月06日
★1945年のドイツ
市民図書の新着本コーナーで篠田節子の小説とどちらにしようかと迷った末に選んだ本。
第二次世界大戦で日本と三国同盟を結び(ムッソリーニの死以降、いつの間にか戦勝国に姿を変えてしまったイタリアに割かれている部分は僅少です)、共に犯罪的国家として裁かれ、共に敗戦直後はぼろぼろながら、脅威の成長を遂げたドイツと日本。
未だに戦時中の我彼の犯罪や、戦勝国が行った行為が尾を引いていますが、本書では、ヒトラー政権の末期から描き始め、爆撃や市街戦を経てぼろぼろになったドイツの様相を、同時期にティーンエイジャーだった著者がジャーナリストの目で描いています。
自らが犯した罪を贖うことを求められると共に、戦勝国側の利己的な駆け引きにも翻弄され、自らがナチの悪事に加担していることは露疑わないでいた「善意」の一般市民たちが多大な苦労を背負うのは、軍部の暴走に自覚せず加担していた日本国民が背負った苦労と共通しています。続きを読む
kaikoizumi2005 at 22:42|Permalink│Comments(0)│