船井総合研究所
2009年01月11日
□女性が部下をもったら読む本
女性が部下をもったら読む本
- 蓮尾 登美子
- 同文館出版
- 1470円
書評/ビジネス
本が好き!の献本です。
主婦やってて、三年先もタラタラ楽しく楽したい、と向上心をほっぽりだした私には読む資格が無いかも、と思いつつ、手を挙げました。
そこで己に引き寄せるために、OL時代の事を思い出し、かつ家庭生活に当てはめて読みました。
まず最初に印象的だったのは、例えば展示会を通して商談を行う時に、女性三人でチームを組めば、三人がそれぞれフル回転するが、男性はお茶出しや受付に女性アシスタントを付けたがるから、その時点でコストパーフォーマンスが落ちる、と言う記述でした。
全く同感! 未だに我が家では、電球の取り替えなどに必ずアシストを要請する人がいて、頚椎を悪くして上向きが出来なくなる前だったら、一人でやってたよ!とイライラさせられます。
そう言う視点で読み始めると、家庭と言う職場で上司である私は部下の育成に大失敗している事に気付かされます。(^o^;)
そもそも、手伝ってあげると言う夫の発想が上から目線で、気が向けばやる、と言う無責任そのもの、将来は濡れ落ち葉かワシも族入り間違いナシ!と言う恐ろしい予想を大阪の大学の先生がおっしゃっているのをテレビで見たばかりなので、家庭生活の上司的な発想は土台から間違っていると言われると、ぐうの音も出ないですが、男が働き、女は家庭を守る!と上の世代から強権を発動されると、従った方が文字通り無難だった最後の世代としては、そういう発想にならざるを得ません。
そこで改めて、この本に描かれているあらまほしき上司の姿と自分を重ね合わせると…信頼のおける上司と言うより、口うるさく従わせようとする上司だったと思わざるを得ません。
誉める、叱ったり注意するなら理由をちゃんと伝え、相手の心身のコンディションを理解し、相手の譲れない部分に添うように努力し…
と言うような事は、子育て上手な親なら出来ている事でしょう。下手でも、辞表一枚でお別れ出来たり、一見して固定的のようでも、実はそうではない仕事上の人間関係とは違い、逃げられない親子と言う関係の中では、子も相当我慢しているでしょうが、子の権利が強くなった今の時代、親の我慢はかなりのものです。
が、しかし、特に都市部サラリーマン家庭では、家庭生活における辛抱、我慢の側面を分かち合う父親は少なく…
加えて、冒頭に述べたような女性アシスタント必要とするとなったら、定年退職後のかなり多数が男性が鼻つまみまではいかなくとも、重たい存在になるのも納得です。
と言う事で、この本のメインターゲットは入社してしばらく経った働き盛りの女性でしょうが、若い男性にとっても必要なノウハウが書かれていますし、家庭を持ったばかりの人にも家庭内人身掌握術として役立ちそうです。
人生半分過ぎたオジオバは、半生を振り返って悔しがったり反省したりするツールとする以上に、ダメ上司的な存在だった今後の自分を待ち受けている運命を変えるために、遅蒔きでも出来る事を考えさせてくれる本でしょう(笑)。
kaikoizumi2005 at 16:46|Permalink│Comments(2)│