母の遺産
2012年07月05日
★母の遺産 新聞小説
市民図書の新着本の中から借りていた「母の遺産」。三日ばかりかかりましたが、読了しました。
スロースタートで読み始め、途中から一気呵成です。
というのは、死んでホッとしたという母親を持つヒロインの話、最初のうちは、フランス留学もさせてもらっていたという恵まれた状態など、自分とかけ離れた話で、ちょっとのれない部分があったのです。が、介護に関する話がどっと出始めて、そうだよ、そうだよと思ったし、母に死なれた後からの女性として、いったい自分の人生はなんだったのかという寂寥感に共感をしてしまったのです。
ヒロイン美津紀の母親はその年代の女性としてはかなり強烈なキャラクターなんですが、途中ではたとひざを打ちたくなる描写がありました。
母の人生で大事なものは「芸術と知」。それがない家庭はどんなに金持ちであろうと、高学歴であろうと、しっくりこない・・・・
このあたりで、潔癖症の祖母とは全く180度逆のタイプに思われた美津紀の母、紀子さんと、祖母との重なりを感じました。続きを読む
kaikoizumi2005 at 22:43|Permalink│Comments(0)│