アンジー・セイジ
2010年04月13日
□ようこそキミワルーイ屋敷へ
ようこそキミワルーイ屋敷へ
- アンジー・セイジ
- 東京創元社
- 1680円
書評
キミワルーイ屋敷と呼ばれる怪しい家で元気に暮らす少女アラミンタ・キミワルーイが主人公。
働き者だけど口うるさいタビーおばさん、昼間は花柄のコウモリみたいに寝袋に入って寝てばかりでコウモリ大好きなドラクおじさんと暮らすアラミンタ。設定はハリー・ポッターと似ているけれど、意地悪ないとこはいないし、おばさんは口うるさいけど意地悪ではないし、おじさんはその名前と嗜好が連想させてくれるけれど、かなり怪しげな人物。
この物語のメイン事件はボイラーの調子の悪さに頭に来たおばさんが独断で家を売り出してしまった事。
アラミンタは大反対。先ずは売り出しの看板に字を付け足して買い手の気を削ごうと言う作戦に出ます。
おばさんとの攻防に、それまではマヌケな古いバケツと思っていた鎧のサー・ホラスや会いたくて仕方なかった幽霊の少年も加わり、絶対に買い手がイヤになりそうな作戦を敢行、大成功したものの………と言うドンドン話の系譜を辿る児童向けの作品。
アラミンタの元気さと奇妙キテレツな登場人物の面白さで、小さな子どもたちはワクワクしそうです。怪しげでも、残虐性は無く、ユーモラスな筋立てなので、大人も安心して子どもたちに与えられる物語でしょう。
アラミンタに良い友だちが出来た様子の本編は序章で、これからアラミンタがなぜおじさんおばさんと変な屋敷に暮らしているのか等の秘密が徐々に明かされて行くものと期待されます。
kaikoizumi2005 at 17:07|Permalink│Comments(0)│