小説・物語

2017年06月25日

★おばちゃんたちのいるところ

kaikoizumi2005 at 21:34|PermalinkComments(0)

2014年04月29日

★とっぴんぱらりの風太郎

 ぶっちゃけ正直に書いちゃいます。

 万城目ファンなのですが、それだけに、彼の作風かくあるべしという思いが強いのかも知れません。



 今までの万城目作品は、奇想天外、笑える場面が多くて、あるいはしんみりとにせよ、血の雨が降るような場面はなかったのですが、この作品は大阪落城直前の戦国時代末期とはいえ、実にスプラッターな表現が多くて、映像化された指輪物語を見た時のような違和感がありました。

 忍者の厳しい修練を描いたから、必要な記述だったのさと言われればそれまでですが、せっかく、豊臣家の象徴である瓢箪の妖ともいえる居士という奇想天外な存在を描いたのだから、ジ・エンドも笑える方向性に持っていって欲しかったのですが・・・

 万城目作品に特徴的な繰り返しのどんどん話的な展開が、本作では舞台が大阪落城だから仕方ないとは言え、暗い方向性に転がっていくので、愉快爽快(いったいどこの温泉の宣伝だ?というフレーズですな(^^ゞ)がないのです。

 直木賞の選考で「無駄に長い」という類の評があったというのが頷けます。新聞に連載という事で、ある程度の長さが必要だった? 肩に力が入っちゃったのでしょうか?

 瓢箪好きと、遺された秀頼公の遺児というのが、プリンセストヨトミにつながるんだろなぁ・・・と仄明るさが見えない訳ではないですが、たくさん振り回された割にはこの終わり方はなんだぁ〜というのが読み終わっての感想です。


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kaikoizumi2005 at 22:29|PermalinkComments(0)

2014年02月09日

□キリコはお金持ちになりたいの

  昨今、とんと読書熱が落ちた私が、ソチオリンピックの最中に二日で読み終えた本です。止まらない!暴走系ミステリーであります。




 ヒロインはタイトルどおりキリコといいます。漢字で書くと霧子。見た目はミステリアスな雰囲気ではなくて、しっかりものの腕のよい看護師さん。ですが、名は体をあらわしているのかどうか、霧に包まれたような母親失踪(男と駆け落ち?)にまつわる心の傷を負っています。

 そのせいか、シングル女性としてはなかなか高級な住まいから始まって、高級ブランドを身につけるなど、モノに依存した傾向が見られるのですが、それが決して、誰もが知っているようなミーハーブランドではなく、知る人ぞ知るブランドで、持てば持つほど、次の高みに挑みたくなっている最中です。なので、勤務先では公立病院と同じように謝礼は受け取らない筈が、キリコだけはこっそり患者さんからの付け届けを受け取っている様子。

 勤務先でキリコが偶然にも出会ったのはかつて華やかでおしゃれなくらしをしていた小学校の同級生、志保。転校後、音沙汰がなくなっていた彼女の今はモラハラ夫に縛られた不幸な境遇。 

  もうひとり、キリコが気にしていたのはドジ間抜けが多いく、容貌もいまいちの後輩看護師の梢。DV男である父親と別れた母親が、またよりを戻して、自分と優しい弟をあてにしているらしいと知って愕然としています。続きを読む

kaikoizumi2005 at 23:59|PermalinkComments(0)

2013年07月01日

★銀色の絆



 フィギュアスケートが好きです。ですが、この物語の主人公の小織の母親、梨津子の登場したての姿のように、何がなんだか分からないで美しいから見ています。

 冒頭、小織・梨津子親子はたまプラーザに暮らしています。私がかつて住んでいた頃はごく庶民的な町でしたが、今は街となり、140平米を越える億ション住まいの梨津子は富裕層の人。新横浜スケートセンターへBMWで娘を送迎し、居合わせるほかのスケーターの似たような境遇の母親たちとささやかな張り合いをして過ごしています。

 それが夫の不倫により離婚。実家のある名古屋に転居。名古屋といえば、フィギュア王国と呼ばれていて、小織も世界レベルのコーチの下でレッスンを開始します。

 ここで語られるレッスン風景は、取材を重ねてのこと。技術的なことはもとより、特にコーチを取り巻く人間関係や謝礼のことなど、やはり富裕層か才能に恵まれていてスポンサーがつかないと、とてもやっていけない世界だと分かります。月のかかりが30万円を越えるなんて・・・・ふっへ〜、我が家の1ヶ月の生活費は30万ありゃ十分じゃん!と驚きます。

 コーチに対するお弁当つくりやコーヒー当番や、コーチの弟子たちに対する対応などなど、もちろん、現実そのままではなく作家が相当加工しているものとは思われますが、似たような状態はあるということなのでしょう。続きを読む

kaikoizumi2005 at 22:42|PermalinkComments(0)

2013年06月29日

★狭小邸宅



 昼頃、投函したい郵便があって外出しました。T字路になっているところで白いシャツを着た男性が、チラシを配っています。車道ぎりぎりに一戸建ての概要を書いた立て看板が立っていて、配っているチラシはどうやらその詳細のようです。30歩も歩けばコンビニがあるから良い様なものの、ねっとり汗ばむ空梅雨の高気温の中、彼の足もとに置かれた清涼飲料のボトルは既に空っぽでした。

 とこんな風景を、この小説を読んだ直後に見ると「あああ、気の毒に、ここにも松尾君がいるよ」と思ってしまいます。

 この作品は新聞広告を何回か見ましたが、不動産会社の内幕を描いた衝撃の作品という事のようです。全ての不動産会社が作品中にあるようなパワハラ、モラハラはもちろん、暴力も日常茶飯事のブラック企業ではないとは思いますが、これと類似の体験をしている人にしか書けないのでは?と思われる凄まじさです。続きを読む

kaikoizumi2005 at 19:30|PermalinkComments(0)

★七つの会議



NHKて早くもドラマ化されたようで、配役を見ると、突如抜擢された冴えなかった中間管理職が主人公のようですね。

しかし、本当の主人公は誰か、最後まで読むとダークホースが浮かび上がって来ます。

企業倫理と社内の勢力争い、時に家庭の事情も含み、大企業のグループ企業内部の人間模様を描いていて、グイグイ読まされました。

また、憶測が飛び交う秘密事項の謎解きミステリーも味わえます。

しかし、それにつけても、グループ企業とはいえ、第三者から見れば立派な大企業の幹部どものケツの穴の小ささには唖然としつつ、現実世界の昨今の企業トップの腹のくくり具合の緩さと重なります。

腹をくくり、捨て身で立ち向かった人が報われないで、調子が良いイエスマンの方が出世する事は、往々にしてある事のようですが、本当に幸せなのは誰かと言うオチもあって救われます。

ただ今大人気の朝ドラヒロイン流に言いますと、○○さん、カッケー!

※○○さんの名前を出すとネタバレなので、特に名を秘します(笑)。


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kaikoizumi2005 at 11:16|PermalinkComments(0)

2013年06月03日

★左京区恋月橋渡ル



 左京区七夕通東入ルの続編です。

 前篇でヤマネ君と呼ばれていた大学生が、院生山根として登場、主人公は彼です。

 前編でメガネを外すとアイドルに似ている、コンタクトにしなよと花ちゃんから言われていたけれど、基本的にイカキョーで女性との交際経験もない山根君が、いきなり恋に落ちるという展開です。

 雨の日の下鴨神社で1人花見をと思っていたら、そこで美女に遭遇。傘を貸て慌てて去ってしまった山根君。

 ガタイが良い、食いしん坊のアンドウ君も安藤君に昇格(?)しており、順調に恋をはぐくんでいる遠距離恋愛の花ちゃんは、山根君の恋を見抜き、アドバイスをしたりけしかけます。

 また、彼らの暮らす寮の寮長も今回は割と深く関わって来ます。続きを読む

kaikoizumi2005 at 23:30|PermalinkComments(0)

★左京区七夕通東入ル



 京都偏愛人間には登場する殆どの地名が行ったことあるぞ!のほのぼの恋愛小説です。

 私の愛好する京大卒作家はいずれもベタな恋愛を描かない、もどかしいすれ違いやら、ほのぼの系でありますが、この作家さんもべたべたこゆい恋愛は描かないので合格!であります(笑)。

 女性作家さんなので、森見、万城目両氏の奇想天外系とはまた違って、荒唐無稽は無しで地に足がついたというか、飛ばない作品でありますが、その分、荒唐無稽の苦手な人には受け入れやすいでしょう(「息子には受けた」「私には無理だ」とか言いながら、万城目氏の「ホルモー」を最初の数ページで放り出したというけしからん友人が複数おります)。

 物語はブルーベリーの汁を当日着ようと思っていた服に掛けちゃったばかりに、違うおしゃれな服を着て出て、その結果合コンで出会いがあった主人公、京大生女子の中ではおしゃれで華やかな「花」と、何だかワケアリの恋人龍彦。寮生活を送る彼のユニークな親友たち、花の親友で京都一の人気を誇る女子大に通うアリサとその京大生の彼氏などを散りばめて、進んで行きます。

 以前は歯ブラシを部屋に置く程の関係だった彼氏に「気が多過ぎる」とふられた花。数学にのめりこむと周囲が見えなくなる龍彦との恋はスピーディには進みません。

 花は同級生の剛君とも仲が良いし、龍彦の親友たちヤマネ君とアンドウ君とも仲が良い。

 
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kaikoizumi2005 at 22:30|PermalinkComments(0)

2013年05月11日

★容疑者Xの献身

NHK土曜日朝の情報番組を途切れ途切れ見ていたら、海外で東野圭吾さんが大人気とあり、容疑者Xの献身が出ていました。

東野圭吾さんの本、1、2冊は読んでいましたが、あまりに高名なものには手を出さないというへそ曲がりで、容疑者Xの献身は読んでいなかった…と思って、市民図書に行くと、棚にありました。

地域の人だけが利用という小規模図書館なのに、ひときわ手ずれてカバーがボロくなり、巻末の貸し出し票は三枚も貼り重ねられていました。二枚までは時々有りますが、三枚は初めて見ました。

さて、と読み始めると…………止まらなくなりました。

ある町で、怨恨絡みの殺人事件が起き、被害者の元妻が容疑者として浮かび上がるが………というミステリーにありがちなパターン。

ところが、容疑者には草薙刑事にどこか危うさを感じさせるが、崩せないアリバイがあった、というストーリー運び。

それには只今テレビ放映中のガリレオとあだ名されている刑事の友人の物理学者と、彼の好敵手だったという、今は高校教師をしている天才的数学者が絡むのです。


多分たくさんの方が読んでおられることとは思いますが、まだという私みたいな人のために詳述致しませんが、タイトルは第一容疑者に純愛を寄せた男の築いた鉄壁トリックの献身的過ぎる様を表しています。

なるほど、こりゃあ、翻訳が下手くそじゃない限り、絶対に海外でもウケるでしょう!と得心の行く作品でした。


kaikoizumi2005 at 20:30|PermalinkComments(0)

2013年05月07日

□わりなき恋

冒頭の二人の出会いはパリへ向かう国際線のファーストクラス。ヒロイン笙子は、どうしても著者の姿を思い浮かべてしまうけれど「かなり優秀なドキュメンタリー作家」で、彼女の恋人となる男性は社員二十万を擁する大企業の重役。

いつも隣に誰も来ない事を願っていたファーストクラスに、いまいましくも乗り合わせた男、九鬼が、兼太さんと呼ぶ間柄になるのに、大した時間は掛からなかった。

知性派女優としてならした岸惠子さんの本作は、彼女が地元出身と言う事もあり、地元紙では大きく取り上げられていましたが、帯にあるように中年とはもはや言えない年齢の女性が一回りも年下の男性と恋に落ち、医師に対応策を求めながら男女の関係になる、というのが「衝撃的」と説明されていました。続きを読む

kaikoizumi2005 at 20:54|PermalinkComments(0)
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