2018年06月07日

☆大家さんと僕




  初めて著者を見た時に「うわ、何と細い人なんだ」と思いつつ、芸人さんとしては押し出しが強くないし、線が細いけれど、何だかインパクトがある人だなと思ったものです。

  最近、矢部さん体型に近づいていて(矢部さんの方が細い、体脂肪率低い、私はた〜ぷり腹だの内臓に脂肪を抱えているようです(^^ゞ)妙に親近感を感じて読みたくなってしまった本でした。(^-^)


 ご本人が売れないと書いておられるのが本当なんだか、私はお笑い番組を殆ど見ないので実態は謎ですが、トホホ芸人と大家さんのあたたかな日常という帯のコピーも陰鬱な事件が多く、政治も迷走している昨今、手に取って見たくなります。

 売れない芸人さんというのは住居にはなかなか苦労するのはテレビでよく見ますし(かの又吉先生だって、ベストセラー作家になってやっと自宅購入されたようで、それまでは住居はいまいちだったみたいですし)、矢部さんも居住快適性抜きの物件を移り住んでいたところ「掘り出し物」「でも、大家さんよろしく」みたいな不思議物件を紹介されて住むことに・・・

 というところから始まって、最初はこれ、ちょっとなぁと距離感に悩んだものの、戦前のお嬢様育ちで、どこか浮世離れしている大家さんと、ほのぼのした関係を築いていくというエピソード集で、ほぼ実話ベースのようです。

 新宿在住で伊勢丹にタクシー飛ばしてひとパック2000円なり〜のたらこを購入したりする大家さん、矢部さん知るところの最高齢の朝帰りで、久しぶりに友人と会って盛り上がって京王プラザホテルに泊まってしまったなどという、一般に考える「高齢のご婦人枠」を飛び出ている大家さん。なかなかチャーミングです。

 自己紹介でお笑い芸人という大家さんの知らないジャンルを名乗れなかったので、俳優という事になっていた矢部さんが、お笑い芸でヘビーな弄られ方をするのを本気で心配したり、連れて来たチャラい芸人さんにも偏見を抱かず、また来てねと言えてしまったり・・・本当に育ちの良い方の良さというのも伝わってきます。

 が、この方といい関係を築けている矢部さんも素晴らしいのよね。根本的に性善説で、優しい人だからこそ、大家さんに対して過度の警戒感を抱いて線引きをしたりしなかったのだと思います(いるのですよ、身近に。相手に何か頼まれたり、時間を割かれるのが損だと、まず警戒心を抱き、性悪説から入るが故に、人との関係性を築けない人が)。

 終盤、87才越えの大家さんの体調が悪くなって、心配になりましたが、ハッピーエンドで良かった。

 矢部さんには幸せな結婚もして欲しいけれど(ご本人が希望されてるように書かれているので、です)、大家さんとのいい関係もずっと続きますように。

 という訳で、読んでほっこり、読後感もほっこりでした。

 ささくれだった世の中に小さな灯が灯るコミックエッセイでした。💮

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kaikoizumi2005 at 16:26│Comments(0) コミック・コミック風エッセイ等 

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