2013年04月14日

□運命を変える心とからだの磨き方

久しぶりの本が好き!の献本です。

タイトルを見ても、表紙を見ても、第一印象はスピリチュアル系の本でしたが、臨床心理学修士で、医療技術専門学校をはじめとして心身の健康に関わる仕事に携わって来た著者の経験と知見から、望ましい生き方、あり方を述べた本です。

なる程と思う項目は沢山ありましたが、一番印象的だったのは共感脳の話でした。

22章の相手のことを優先する、がそれです。

その前の章では人間が嫌悪感や不快感を抱くのは、長年に渡る危機との出会いを切り抜ける闘争・逃走反応に火を付けて、危機に対し身を守るため、とあり、説得力がありましたが、その直後に前章とはかなりおもむきの異なるタイトルが出て来ただけに、なおさら、ん?と思いました。

正直に申しますと、最近、相手のことを優先するよりも、自分を優先にしなきゃ!と強く思い、そのように行動しようと決意していたから、なおさら気になったのだと思います。

共感能力のある哺乳類の中でも、人間は他者の苦しみへの強い共感を持つことができるために、自己犠牲的な利他行動が出来るようになったそうです。

著者は東日本大震災のことを引用して、他者と協力してうまく生きていくこと、自分が損をしてでも他者を優先し、他者と喜びを共感できる能力が、最高の能力の発揮につながると述べています。

道徳だからそうしなさい、とか、周り回って自分に帰るから結局トク………というような論調ではなくて、おさるさん時代からの積み重ねで得た叡知だと思うと、自己チュー真っ盛りの私も、なるほどなぁと思わされてしまいます。

以上は私が特に印象深く思った項目ですが、人としてのあらまほしき姿というのは、決して為政者に有利だからというような理由や浅い道徳からのものではなく、生存競争の中から生まれた生きるノウハウ、それが洗練されたのだとわかり、もうちょっと素直な見方が出来るようになれそうです。

著者の語り口が穏やかで、「はじめに」にあるように、本書に書かれていることは考えるためのヒントであり、頑張り過ぎずに役立て欲しいと言うスタンスなのも、読みやすい理由として大きいかと思います。

この本を手元に置いて、時々開いては、自分の今のあり方を再考するのも良さそうです。


kaikoizumi2005 at 13:41│Comments(0) 携帯からの投稿 | 教育・健康・福祉等

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