2011年12月14日

★風景スタンプ ぷらぷら横浜


 
 地元紙で紹介されていたので読んでみたかった本です。

 たま〜に特別な消印が押されている郵便物を受け取ることがあるので、風景印というのを郵便局で押してくれるのは知っていましたが、それは「郵便局によってはやってくれる」「観光地として有名な場所に限る」と思い込んでいました。

 でも、この本を読んで、特にこれと言った観光名所がないと思っていた横浜市内の身近な局でも、風景印を持っていて、お願いすれば押してもらえる(ただし、繁忙時間は避けましょうとマナーもちゃんと書いてあります)とわかりました。

 長男の同級生がお勤めしている近所の局が押してくれるスタンプの事も取り上げられていて、なるほど! 今度は彼に頼んでみようと思ったりという楽しい発見もありました。

 都内在住の著者から見ると、魅力を感じた箇所に含まれているのが、市内では冷遇地域(発展しつつあり、住民も高所得、おしゃれな街として取り上げられることも多い北部と比べて、とにかく公共施設の機能・性能では大きな差が開いています)とひがんでいたわがエリアなのがうれしかったですね(笑)。

 というのはともかくとして、いろいろな局のスタンプを、それぞれの柄や地域にちなんだ切手に押しているという趣向もとっても楽しいです。横浜は幸いにして、いろいろなものの「はじめの一歩」「記念」が多く、切手の図柄に選ばれている事物が多いので、ワールドカップの切手には新横浜にある国際競技場を使った風景スタンプが押されていたりしますし、それ以外でも、鞍馬天狗の切手には作者である大仏次郎記念館を図柄にした横浜北方郵便局のスタンプを押していたり・・・スタンプの図柄を楽しむだけではなく、切手を楽しむ事も出来て、さすがは「郵趣サービス社」の出版物だと思いました。

 特にページを割いて取り上げられている地域については、駆け足気味ではありますが、見どころも紹介されていて、巻末に地図もあり、集印かたがた散策が楽しめるようになっています。

 今まで、ほかの地域を旅すると、特に観光スポットでは地域にちなんだ切手を売り出す郵便局や、特設テントなどに立ち寄るのが楽しみでしたが、これからは風景スタンプにも注目したいと思います。

 全国いろいろな郵便局の風景スタンプがある事でしょう。ほかの地域の風景スタンプもぜひ見てみたいという興味がわきました。しばしば局員さん自体が知らなかった発見も著者はもたらしていますが、おらが地元に小さいけれど、こんなチャーミングな宝物があるとわかると、私ではないですが、張り合いが出る方も多いのではないでしょうか? いろいろな地域でシリーズ化されたら楽しいなぁと思います。

 著者が「横浜散歩の終盤で、東日本大地震が起こり、こんな時に趣味は無力だなと痛感したけれど、震災後初めての郵便局めぐりで局員さんに変わらぬ対応をしてもらい、安心した」とい旨を巻末で述べておられますが、派手さはないけれど、毎日の生活を楽しく、張りのあるものにしてくれるこういう趣味が続けられる世の中であってほしいと思いますし、今は余裕のない方たちにもそういう時間が訪れますようにと思いました。

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kaikoizumi2005 at 21:30│Comments(0) 歴史・地域情報 | フォトエッセイ類

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