2011年11月13日
最近読んだ本 「あの日にドライブ」「抒情と闘争」「おれのおばさん」
萩原浩のタクシー運転手さんを主人公にした本。「あの日にドライブ」
地元紙に高校の司書教諭の書いているコラムがあるんですが、ここで紹介されている本がなかなかおもしろそうなんです。子どもたちがお勧めに従って読んで良かったと言ってる・・・な〜んて読むと、自分も読みたくなる、この本はその1冊でした。
イエスマンが出来なかったばかりに退職を余儀なくされた主人公が「落ちぶれて」タクシーの運転手をして「家族にも疎んじられてる」と思い込んでいるわけですが・・・・
うまくお客さんがつかまらずノルマを達成できず、首になりそうだし、同僚はすごいいい加減だし・・・と思っているのですが、先輩ドライバーのノウハウを学び、プロドライバーとしての意識を持つし、いい加減だと思っていた同僚の本来の姿も知るし・・・一番良かったのは、実は家族は疎んじてなんていなかったとわかったところでしょうか。
彼を辞職においやった性格の悪い上司も、実はとほほな奴だったというのも落ちの一つですね。
地元紙に高校の司書教諭の書いているコラムがあるんですが、ここで紹介されている本がなかなかおもしろそうなんです。子どもたちがお勧めに従って読んで良かったと言ってる・・・な〜んて読むと、自分も読みたくなる、この本はその1冊でした。
イエスマンが出来なかったばかりに退職を余儀なくされた主人公が「落ちぶれて」タクシーの運転手をして「家族にも疎んじられてる」と思い込んでいるわけですが・・・・
うまくお客さんがつかまらずノルマを達成できず、首になりそうだし、同僚はすごいいい加減だし・・・と思っているのですが、先輩ドライバーのノウハウを学び、プロドライバーとしての意識を持つし、いい加減だと思っていた同僚の本来の姿も知るし・・・一番良かったのは、実は家族は疎んじてなんていなかったとわかったところでしょうか。
彼を辞職においやった性格の悪い上司も、実はとほほな奴だったというのも落ちの一つですね。
相前後して読んでいたのが、辻井喬=堤清二による本。
実業家と文学者という二面を共存させてきた著者。同じような先達として、老いらくの恋で有名になった、今生天皇の御歌掛だった川田順の恋を描いた作品がありますね。
老いらくの恋のかたやの主人公、実は祖母がまだ本来の夫の夫人だった時に、用事でいらっしゃった時に同性ながらほれぼれしたほど素敵な人だったと申しておりました。京都在住時のご近所さんだったようです(祖父はお酒を飲むと誰とでも親しくなるタイプだったので、京大教授だったとかいうご主人と親しくなったらしいと祖母の弁)。
辻井喬として、堤家をモデルにして描いた作品では、きょうだい仲は悪くなかったと書かれていたと記憶しますが、この作品では、弟たちの憎しみというのがはっきり書かれていますね。この前お縄についちゃった跡取りの異母弟さんと、本当はどうだったのか?気になりますね。
例えば渋谷パルコが出来た事とか、どうしてセゾンが傾いてきたのかとか、肝心なところが飛ばされてしまっているので、堤清二を冠している割には物足らない部分があります。
昭和ひとけた生まれの著者。亡くなった母より年上の人に対して「もっと詳しく書け」「本当の事を言いなさい」というのは酷なもんだと思いつつ、ちょっと拍子抜け。
「おれのおばさん」は、なかなか面白い小説でした。そのまんまだったら、相当鼻につきそうな主人公が、銀行員でそこそこだった父親が横領→愛人にマンション購入→逮捕懲役という思いがけない不幸に見舞われ、母とは絶縁関係だった伯母が運営する児童養護施設に入って・・・というお話ですね。
私ならば、そんな不潔な父親許さない!と言いそうなところ、さすが開成をもじった進学校にご入学のおつむのい少年は、大人の事情も何となくわかって、き〜っとはならないのです。
演劇少女と化してせっかく入った医学部をドロップアウトしてしまったおばさんの生きざまもユニークだし、姉に反発していた母親も、一時は自殺が懸念されるほどだったのが、単なる奥様から脱して行くのがすごいですわ。
・・・って今日はこのぐらいにしておきます。
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実業家と文学者という二面を共存させてきた著者。同じような先達として、老いらくの恋で有名になった、今生天皇の御歌掛だった川田順の恋を描いた作品がありますね。
老いらくの恋のかたやの主人公、実は祖母がまだ本来の夫の夫人だった時に、用事でいらっしゃった時に同性ながらほれぼれしたほど素敵な人だったと申しておりました。京都在住時のご近所さんだったようです(祖父はお酒を飲むと誰とでも親しくなるタイプだったので、京大教授だったとかいうご主人と親しくなったらしいと祖母の弁)。
辻井喬として、堤家をモデルにして描いた作品では、きょうだい仲は悪くなかったと書かれていたと記憶しますが、この作品では、弟たちの憎しみというのがはっきり書かれていますね。この前お縄についちゃった跡取りの異母弟さんと、本当はどうだったのか?気になりますね。
例えば渋谷パルコが出来た事とか、どうしてセゾンが傾いてきたのかとか、肝心なところが飛ばされてしまっているので、堤清二を冠している割には物足らない部分があります。
昭和ひとけた生まれの著者。亡くなった母より年上の人に対して「もっと詳しく書け」「本当の事を言いなさい」というのは酷なもんだと思いつつ、ちょっと拍子抜け。
「おれのおばさん」は、なかなか面白い小説でした。そのまんまだったら、相当鼻につきそうな主人公が、銀行員でそこそこだった父親が横領→愛人にマンション購入→逮捕懲役という思いがけない不幸に見舞われ、母とは絶縁関係だった伯母が運営する児童養護施設に入って・・・というお話ですね。
私ならば、そんな不潔な父親許さない!と言いそうなところ、さすが開成をもじった進学校にご入学のおつむのい少年は、大人の事情も何となくわかって、き〜っとはならないのです。
演劇少女と化してせっかく入った医学部をドロップアウトしてしまったおばさんの生きざまもユニークだし、姉に反発していた母親も、一時は自殺が懸念されるほどだったのが、単なる奥様から脱して行くのがすごいですわ。
・・・って今日はこのぐらいにしておきます。
kaikoizumi2005 at 23:51│Comments(0)│
│読書つれづれ