2011年05月24日

★小暮写真館




 宮部みゆきさんの作品は、人の心の奥に潜むベッタリ闇を描く、読んでいて段々滅入ってくる作品と、例え悲劇に終わろうともほのあたたかいものを感じさせてくれる作品とあるが、こちらは後者。しかも、悲劇というよりファミリードラマ。まぁ、単なるあったかではない芯があるのが宮部流ですが。

 写真館だった古家を買った一家と、親しい人びとを通して、一家の抱える芯に迫る話ですが、キーとなるのが、この写真館に住み着いているらしい、元オーナーのおじいちゃんの幽霊。

 一種の幽霊話めいたところもあるのですが、おどろおどろしさは全然無くて、むしろその存在のために、特に主人公の高校生がフタをしていたある思いが浮かび上がってくるという仕掛けです。

 ユニークな友人たちなど、登場人物も面白く、分厚い本ですが、スムースに読めました。

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kaikoizumi2005 at 16:30│Comments(0) 小説・物語 

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