2010年04月14日

□失敗しない大学デビュー


失敗しない大学デビュー 増補改訂版
  • 田中圭一_::_ひぐちゆうじ
  • 飛鳥新社
  • 1000円
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書評


 本が好き!の献本です。

 表紙の絵を見ても、直ぐには気付きませんでしたが、ページを開いてみたら「おおっ、手塚治虫先生!」と思わず叫びたくなるほど、酷似したイラストというかマンガにビックリ。ですが、巻末の著者紹介によると、マンガ担当の田中圭一さんは様々な巨匠の作風を駆使してお下劣なパロディーに昇華するという独自の能力をお持ちの方のようで、ページをめくると、確かにね、とにんまりしてしまいます。

 ただいまシューカツでひぃひぃ泣いている息子の親として、3年前、夢ランランの学生生活開始時に彼はどんな風にスタートを切ったのか、ちょいと覗き見をしてみたい気持で読みたかったのですが・・・この本、所謂進学校出身の秀才さんも落ちこぼれも読まないだろうなぁと思いました。

 秀才さんにとっては、ここに書いてある事は「くだらん!」「時間の無駄」だろうし、進学校の落ちこぼれの多くは遊び人なので、これまた「とっくに終ってる」「こんな指南は要らん」状態でしょう(笑)。

授業の取り方から、サークル活動や部活の選び方、下宿生活のノウハウ、バイトの事、学校生活を取り巻くあれこれについて、取材の結果と思われる学生の経験談を盛り込んで、懇切丁寧にと言うよりは、肩の力を抜いて、へらへらと指南してくれています。

 読んでいて、わが子のような飛びぬけての秀才でもなけりゃ、遊び人でもない子、そして、わが子が通う非超一流大学のようなところでは、こういう風にいい加減なスタンスが割と当たり前なんだろうなぁと思いました。


 率直に言って、こりゃ、○○年前の学生生活と殆ど違わんじゃん!と思いました。数少ない違いはパソコン・携帯と言ったツールが当然となってしまったこと(駅に待ち合わせ用の黒板があった時代なぞ、皆さんご存知ないでしょうが)と、学生のバイトの幅が激しく広がっているらしい事(お水系のバイト、昔は女子大生がやるのは、よほどの事でしたからね)位でしょうか。おっと、ひきこもりが大変に増えているらしいのも違いとして大きいようです(これは、密室でやりたい放題のパソコン出現が肩を押してるようです)。

 訳分からん授業する変な教授、困った部活、怪しい勧誘、不発のナンパ、バイトで身を持ち崩し・・・なんてのは○○年前にもぞろぞろいました、ありましたよ、などと、自分の学生時代をも懐かしく振り返ってしまえる、案外と古典的な内容でした。

 いい加減な学生生活を推奨するようでいて、外し過ぎず、借金や、薬物などに対する歯止めはきちんと書いてありますので、基本は押さえていると言うべきでしょう。


 それにしても・・・後半部に厳しいシューカツの現状を多少織り込んだ記述がありますが、この本を読んで意気揚々と学生生活を始めようという諸君がシューカツに励む頃には、もう少しましな状況になってて欲しいものです。

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kaikoizumi2005 at 22:48│Comments(0) 教育・健康・福祉等 | 実用書

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