2008年11月15日

★人はなぜ騙されるのか



 本を返しに行った地区センターの棚で発見。オウム真理教の事件の余波も覚めやらぬ前世紀末に出版された本ですが、にもかかわらず、ごく最近になっても借り手が複数いる(だから、前回行った時には発見できなかったのでしょう)本です。という事はそれだけ書かれている事は普遍的なのでしょう。

 と思って読むと、確かに、オウム真理教の事件の背景が分かってきた今読むと、かえって当時の異様な事態の理由が、著者の説とリンクして、なるほどと思わされますし、昨今の若者の個を求め、政治改革等につなげようとしない意識がオカルトやスピリチュアルに流れるという部分にも頷けるのであります。

 途中から、私の能力では理解しつつ読み進むのが難しい定理なども入ってついつい飛ばし読みになりましたが、導入部の過去の超能力や霊的現象に科学者すらが騙されたかというヒストリーに引き込まれてしまいました。なかなか巧みな構成であります。

 これもまたつい最近読んだロストジェネレーションの本を出した朝日新聞社刊で、朝日新聞での連載等をまとめたものだそうですが、それだけに、ただの科学的、石部金吉(この言葉も死語ですよね)的な読み物ではなく、適宜笑わせたり、オチが付いていたり、なかなか楽しく読ませてくれる科学本です。

 著者も何が何でも科学で解明出来ると言っているわけではなく、感情的、情緒的なものについては科学では検証できない(例えば、音楽や本などの好み)と述べていますが、許せないのは科学的を装った似非科学による騙し、引いては、戦争等へ持ち込む、トンでも理論、さらに正真正銘の科学ではあるものの、核兵器や、戦争中の断罪されるべき人体実験等と述べています。


 騙されないためには、複数視点をもつこと、天邪鬼と言われようが、とことん突っ込まないで「こう言ってるけど、こういう解釈もありじゃない?」と思う事。

 確かに教祖様に従って動くのは懊悩なくてよいだろうな〜と思うし、正直に申しますと、人の命に関わることでは私だって、非科学にすがりついたことがあります(ただし、それが金をぼったくるものではなかったからという受け入れ理由がありますが・・・(^^ゞ)が・・・一方で、思考停止してしまうことの危険性の大きさを思うと、誰か自分以外の者に判断を丸投げにするのはどうかと思うのであります。

 仏教は本来、霊の存在は述べていないのが、輪廻の思想を取り入れたことにより、霊の存在を説くようになったのであり、今も心ある指導者は安易に罰当たりな脅しを用いることは無いとも述べています。


 似非科学や誤った用い方をされた科学は人に不幸をもたらす、というのが刊行当時立命館大学国際平和ミュージアム館長をしていた著者の最も言いたい事ではなかったかと思います。

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kaikoizumi2005 at 22:22│Comments(1)評論・社会事象評価 | 科学や理科系の話

この記事へのコメント

1. Posted by BlogPetのwhite-sesami   2008年11月24日 13:23
実験ってなに?

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