2008年09月01日

□男のための自分探し


男のための自分探し
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書評/ライフスタイル



本が好き!の献本。

タイトルに女人禁制のにおいを嗅ぎ、敬遠していましたが、読了された方の女性にもオススメ出来る哲学の本です、と言う主旨の書評を拝見。折りよく追加献本のお知らせがあり、ヨッシャ!と手を挙げました。

序の口はタイトルに相応しく男性が女性に惹かれたり、権力志向になったり、ド金持ちを目指す理由を生物学的視点から身も蓋も無い結論に導いています。

竹内久美子さんのオモシロ系の本を読んだことのある方はショックを受けないかも知れませんし、女性の中には面白がる人もいるかも知れません。

しかし、一見おちゃらけている主題はドンドン深遠な哲学の方向へ向かって行きます。

世界史やら公民の授業で耳目にしただけの高名な哲学者の名前と言葉がガシガシ並び始め、人生の意義を探り始めるのです。

人は必ずやって来る死を考えない、人に決めて貰う方がよほどに楽だから、自由を手放し、独裁者や新興宗教の教祖の判断に委ねる‥…などなど、常日頃私が考えをめぐらし勝ちな事が書いてありました。

そこで改めて、普遍的な課題なのに、どうして男のための、と言うタイトルにし、帯にも本書の内容から言えばむしろ些末な、パッと見お色気系なコピーばかりを寄せ集めて書いたのだろ〜か、と思いますと…‥

勿論、男のスケベ心につけ込んで売れ行きを伸ばしたいと言う戦略もあるとは思いますが、やはり著者も出版社も脳天気極まりない男性諸氏にこそ読んで欲しい内容だと確信しているからだろ〜と確信しました(笑)。

と言うのは女性は妊娠、出産と言う生死について真剣に考えざるを得ないイベントがあります。安全な、と言ってもリスクがあるのは先の訴訟を見ても明らかです(訴訟の件は置いておいて、分娩をノーリスクでしかるべきと見做すのは、女性も男性のように脳天気化しているからかも知れません)。私自身百パーセント無事なお産とは思わず出産に臨みましたもの。

もし妊娠、出産の機会が無くとも女性は初経、閉経と言う体の変化を通し、否応なく、生物としての自分と対面せざるを得ません。

今までは家庭内で介護を一身に引き受けざるを得なかった場合が多かった女性ですから、介護から逃げる事が出来ていた男性に比べて、死への洞察が深まっていた、と言う実績(?!)もあるでしょう。

人間は死ぬ為に生きている、よってその時に身ぎれいに去れるようでありたい、と思っていた私にとっては、この本の中盤以降の内容については納得モノでした。

特に死後の世界については、やはり何らかの報いがあると信じたいので、カントの「死後は有るとも無いとも証明できないけれども、“なければならない”(要請される)」との主張に両手を挙げて賛成します。

実はかねがね「人は死ぬ為に生きている」とか「人間は死に向かって歩いている」などと言うと、すごく暗い人と思われるか、親切な人には「あなた大丈夫?心療内科に行ったら?」などと鬱や自殺を心配頂いた事もありまして、うっかり口に出来ないでおりましたが、この本で盛大に述べてくれているので溜飲が下がりました。(^O^)/

そうなんだってばぁ! 良く生きるには死ぬ事を前提にしなくちゃ!と言うのに説得力のある理屈、もとい哲学を教えていただけましたので、これからは大手を振るってネクラは追放です(だってホントのこと言うと、毎日死とかあれこれをウジャウジャ考えてしまうので、そういうのは抜きに楽しみを追いかけ毎日ウキャッキャと過ごせるハイデッガーの言うところの「世人」が羨ましかったんだもん。(^o^;))。




しかし、こういう結論に達したことで、なおのこと、長男の言うシッタカ女度がアップし、ソクラテスの謙虚さから離れて行く気が‥…(^o^;)


※シッタカ女=知ったかぶりをする女だそうで、息子の造語かどうかは不明です(笑)。

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kaikoizumi2005 at 13:54│Comments(4)携帯からの投稿 | 人生訓・生き方のヒント等

この記事へのコメント

1. Posted by あなきん   2008年09月02日 13:14
5 はじめまして。あなきんと申します。書評を頂き、どうも有難うございました。

>勿論、男のスケベ心につけ込んで売れ行きを伸ば
>したいと言う戦略もあるとは思いますが、やはり
>著者も出版社も脳天気極まりない男性諸氏にこそ
>読んで欲しい内容だと確信しているからだろ〜と
>確信しました(笑)。

→出版社の意向はともかく、著者のネライは図星です (^_^;)
 やっぱり女性は鋭いですね。

 妊娠や出産などを通して、女性は生死について真剣に向き合うものだというお話は、とても新鮮でした。人生については、女性のほうがずっと真面目だと、かねがね思っておりましたが、理由がわかった気がいたします。

 目からウロコの、貴重なレビューでした。

他の方の書評と一緒に、当方のブログ『愛と哲学の自分探し』に紹介させて頂きました。どうも有難うございました。
2. Posted by 甲斐小泉   2008年09月02日 16:19
あなきんさん、こんにちは。

拙い書評をご覧いただきましてありがとうございます。

どうも女性と比べて男性の方が危機意識が薄い(それが昂じると、えっ、どうして?の熟年離婚というケースも(笑))ように思われます。

生物学的に男性は子孫を残すためには孔雀の羽をいっぱい広げなくてはいけない故、手が回らないようですが、特に中年期になると、女性と男性の思索の深さの差に絶望的なギャップが生じているんじゃ?と思いたくなる場面に日々遭遇するものですから、この本、たくさんの男性諸氏に読んでいただけますようにと思います。

若いうちに読んでくれると、更に救いがありそうですね。(^_-)
3. Posted by jibun354   2008年10月17日 11:06
5 はじめまして!

甲斐小泉様

jibun354と申します。

私も『男のための自分探し』読みました!
途中から哲学的な内容になって、自分には少し難しいように感じましたが、大事な事が書かれていると思います。
他の人はどんな読み方をしているのか、興味があるので、『男の~』書評をまとめたブログを作ってみました。

http://d.hatena.ne.jp/jibun354/20081016/1224138578

にて紹介させていただいたので、どうぞ来ていただければと思います。
4. Posted by 甲斐小泉   2008年10月17日 17:12
jibun354さん、コメントありがとうございました。

ブログを拝見しました。たくさんの方が「男のための自分探し」をご覧になっておられるのですね。(^_^)

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