2014年05月12日

★ゼロ

  時代の寵児から、一気に塀の中(実際は一気に、ではなかったのですが、イメージ的には、です)に堕ちたホリエモンこと、堀江貴文氏による自伝的ビジネス書。

  そもそもホリエモン誰?の頃から、無料プロバイダーとして、ありがたくlivedoorを使わせていただいていました。節約ネタには、まだlivedoor礼賛が残っているかも知れません。

  そして、このブログも、livedoor。読書ブログは節約ブログよりも日が浅いですが、それでも、もう八年以上場所を借りています。続きを読む

kaikoizumi2005 at 17:16|PermalinkComments(0)自叙伝・人物評伝等 | 人生訓・生き方のヒント等

★小説・北方領土交渉 元外務省主任分析官 佐田勇の告白

  鈴木宗男氏と共に逮捕され、外務省のラスプーチンと呼ばれた元外交官、佐藤優氏による小説の形をとった外交秘話。

  正直なところ、小説としてはへたくそだと思います。例えば視点がぐちゃぐちゃだったり、ちょっと戻って読み返さないと混乱するような書き方をしている箇所が気になりました。

 しかし、それでも読まされるのは、ロシア通の外交官としての、一般が知らないような話を臨場感を持って描いているからです。続きを読む

kaikoizumi2005 at 16:45|PermalinkComments(0)評論・社会事象評価 

2014年04月29日

★とっぴんぱらりの風太郎

 ぶっちゃけ正直に書いちゃいます。

 万城目ファンなのですが、それだけに、彼の作風かくあるべしという思いが強いのかも知れません。



 今までの万城目作品は、奇想天外、笑える場面が多くて、あるいはしんみりとにせよ、血の雨が降るような場面はなかったのですが、この作品は大阪落城直前の戦国時代末期とはいえ、実にスプラッターな表現が多くて、映像化された指輪物語を見た時のような違和感がありました。

 忍者の厳しい修練を描いたから、必要な記述だったのさと言われればそれまでですが、せっかく、豊臣家の象徴である瓢箪の妖ともいえる居士という奇想天外な存在を描いたのだから、ジ・エンドも笑える方向性に持っていって欲しかったのですが・・・

 万城目作品に特徴的な繰り返しのどんどん話的な展開が、本作では舞台が大阪落城だから仕方ないとは言え、暗い方向性に転がっていくので、愉快爽快(いったいどこの温泉の宣伝だ?というフレーズですな(^^ゞ)がないのです。

 直木賞の選考で「無駄に長い」という類の評があったというのが頷けます。新聞に連載という事で、ある程度の長さが必要だった? 肩に力が入っちゃったのでしょうか?

 瓢箪好きと、遺された秀頼公の遺児というのが、プリンセストヨトミにつながるんだろなぁ・・・と仄明るさが見えない訳ではないですが、たくさん振り回された割にはこの終わり方はなんだぁ〜というのが読み終わっての感想です。


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kaikoizumi2005 at 22:29|PermalinkComments(0)小説・物語 

□もしものときに迷わない遺品整理の話

 久しぶりに本が好き!の献本をいただきました。



 私自身、親の遺品を整理した経験があります。ただし、母亡きあとは逆さ縁に泣きながら、気丈な祖母がだいぶん片づけてくれたし、父亡き後は、モノをあまり買わない、やたらと筆まめな人だったので、終われたのは紙類の始末だけでした。

 ですが、それだけでも決して楽な作業では無かったです。特に、親亡き後の空き家となった家に入り込むと、付喪神という言葉が生まれたわけがわかるような・・・主の亡くなったモノたちから発する妖気に近いようなものを感じ、故人への懐かしみとはまた別な感じを味わいました。

 この本では、遺品整理のプロである著者が体験した、様々な現場をプライバシーが特定されないように加工しつつ紹介していますが、読んでいて、自分の体験したのは、しんどいようでも、かなり楽な方だったとわかりました。続きを読む

kaikoizumi2005 at 22:03|PermalinkComments(0)実用書 | 人生訓・生き方のヒント等

2014年02月09日

□キリコはお金持ちになりたいの

  昨今、とんと読書熱が落ちた私が、ソチオリンピックの最中に二日で読み終えた本です。止まらない!暴走系ミステリーであります。




 ヒロインはタイトルどおりキリコといいます。漢字で書くと霧子。見た目はミステリアスな雰囲気ではなくて、しっかりものの腕のよい看護師さん。ですが、名は体をあらわしているのかどうか、霧に包まれたような母親失踪(男と駆け落ち?)にまつわる心の傷を負っています。

 そのせいか、シングル女性としてはなかなか高級な住まいから始まって、高級ブランドを身につけるなど、モノに依存した傾向が見られるのですが、それが決して、誰もが知っているようなミーハーブランドではなく、知る人ぞ知るブランドで、持てば持つほど、次の高みに挑みたくなっている最中です。なので、勤務先では公立病院と同じように謝礼は受け取らない筈が、キリコだけはこっそり患者さんからの付け届けを受け取っている様子。

 勤務先でキリコが偶然にも出会ったのはかつて華やかでおしゃれなくらしをしていた小学校の同級生、志保。転校後、音沙汰がなくなっていた彼女の今はモラハラ夫に縛られた不幸な境遇。 

  もうひとり、キリコが気にしていたのはドジ間抜けが多いく、容貌もいまいちの後輩看護師の梢。DV男である父親と別れた母親が、またよりを戻して、自分と優しい弟をあてにしているらしいと知って愕然としています。続きを読む

kaikoizumi2005 at 23:59|PermalinkComments(0)小説・物語 

2013年11月20日

□世の中それほど不公平じゃない

  恥ずかしながら、子どもの頃から、新聞の人生相談を読むのが好きでありました。ついでに、母がラジオを流している時に聞こえてくる人生相談にも耳を傾けておりました。子供向け雑誌から、ティーンズ向け、大人向けの雑誌まで、人生相談が載っていると、占いより先に目を通しておりました。

 ところが、結婚してからは人生相談欄のない地方紙を購読していたので、日常的に人生相談を目にする機会がなくなり、また、自分が人生相談したい程の悩ましい時期を(今も時々落ち込んではおりますが)過ごした後、美容院や病院の類や、知人、友人宅で手に取る、雑誌、新聞の人生相談を見ると、かつてと随分様相が違っているなぁと思いました。

 偶然にも、この本を読む前に図書館に棚にあった落合恵子さんが、読売新聞紙上で行っていた人生相談をまとめた新書を読んでいたので、なおさらそう思いましたが、かつてのように、断言バリバリ型の回答はほとんど見られないことに気付きました。

 いまどき、断言して、やるな、やれと言うのは、人生相談ではなくて、ちょっと危ない占い師のオバサンだったりします。続きを読む

kaikoizumi2005 at 17:48|PermalinkComments(2)人生訓・生き方のヒント等 

2013年11月11日

□ニッポン西遊記

本が好き!の献本です。

この本を手に取る直線に映画館で見た「さよなら渓谷」で著者にお会いしました。

最終的にはやわらかくなるけれど、序盤では賢そうだけど冷たく、多少ヒステリックな雰囲気を漂わせ、実生活でご一緒したくないタイプのキャリアウーマンという設定でした。

その直前イメージが強いまま、本書のページをめくると、あーら不思議、いえ、その不思議をこなすからこその女優さんなんですが、知的な部分を残し、スクリーン上に漂っていたこわいイメージはきれいさっぱり無くなり、観察眼に優れた感受性豊かな女性がいました。


仕事やプライベートでの海外の辺鄙な場所訪問で、先住民たちの叡知に触れているうちに旅中毒と化したという著者が、五年ほど前に、今、日本だ!と強く思うようになってからの紀行ですが、日本の旅への目覚めから、西遊記メンバーとのつながりが出来るまで、巡り合わせという言葉にふさわしいご縁があり、著者を三蔵法師に見立てて、悟空、沙悟浄、猪八戒の総勢四人がメインメンバーの古事記のゆかりの地めぐりが始まりました。

旅程の中には今年が節目の年で観光スポットとして大にぎわいの出雲大社や伊勢神宮と言った超ポピュラーなところもありますが、大概は一般的なパックツアーでは、まず行かない場所ばかりです。

古事記の記述にしたがって、国産み、天岩戸開き、国譲り、天孫降臨、海幸彦と山幸彦の兄弟喧嘩、神武東征の章立てになっています。
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kaikoizumi2005 at 23:59|PermalinkComments(0)携帯からの投稿 | 歴史・地域情報

2013年09月15日

□ポラロイド伝説

携帯の打ち込みで、ぽらと入れたら、ポラロイドと出て来る程の著名な製品、今は寡聞なインスタントカメラのパイオニア、ポラロイド社の伝記です。

私の生後直ぐの記念写真はモノクロでした。カラー写真は小学生時代はまだまだ贅沢品に近く、色も不安定、アルバムに貼ってしばらくすると退色しました。

ところが、母の幼少の頃は、写真館でポーズをとったまま、じーっと待たなくてはいけなかったそうです。

比較的富裕な家に生まれた祖母の子ども時代の写真は何枚か見ましたが、貧しい農家に生まれた祖父の写真は一枚だけ見た記憶があります。

そんな具合で、写真のハードルは庶民には決して低くくはなく、撮影から出来上がりまでの時間が掛かっていたので、初めてポラロイド写真を撮ってもらった時には、これが話に聞いていたあれか、とワクワクしたのを思い出します。

あれは、何十年前だったのか。独身時代だったのは間違いありませんが、十代の終わりころだったのでしょうか?

両親の若い頃にカメラを持っている人は、暮らし向きに余裕のある、ちょっとした趣味人だったように、私が若い頃はカメラこそ一般的になっていましたが、ポラロイドを持っているのは、小金持ちの酔狂(失礼!)、又は仕事上で必要な場合のようでした。

ポラロイド写真は、パーティーとかイベントに登場し、その時間内に出来上がった写真を見られる事で、大いに場を盛り上げてくれました。長男が中学生くらいに誕生日に外食をすると、特典としてインスタント写真をくれたのが、私の記憶ではポラロイド、或いは類似の技術による写真との最後の出会いでした。

この本では、ポラロイド社の創業者のエドウィン・ランドを中心に、若くエネルギッシュな創業時、アーティストらの助けも得て、破竹の勢いで商品が普及して行った時期、成熟した企業が失速、消滅して行くまでを、企業という生き物の人生を描くように追っています。

エドウィン・ランドという人は、スティーブ・ジョブスやザッカーバーグなどの、新鮮なアイデアを実現したり、世間を驚かせたりするカリスマ性のある創業者たちの大先輩でした。

撮った写真をその場で見られるようにして、まさしく、先ほど私が書いたように、写真をコミュニケーションツールとして、新しいタイプの芸術にも寄与しました。本書には、初期の記念すべき実験的写真やコダックによる競合品とポラロイド機の写真、芸術家によるポラロイド写真も豊富に使われていて、本文の面白さに花を添えて、なおさら興味深く読めました。

理科系音痴の私には、技術的説明の部分は熟読不能で流し読みになりましたが、より完全な画像を求め、邁進するエドウィンとスタッフの熱気は伝わって来ました。

この夏に公開された映画「戦場のエンペラー」にも描かれていましたが、日本が敗戦した当時、日米の経済格差にはものすごい開きがあり、食うや食わずが続いていた1940年後半には、インスタント写真が発売されていたのです。

高度経済成長期は、日本はアメリカより三十年は遅れていると言われていたのを、何とか追い付こうと頑張っていた時期で、私がポラロイド写真の実物と出会って、ちょっと感動した時期は、ようやく追い付いたぞ、分野によってはこっちが上だぞ〜、と言えた頃だったかと思います。

ですが、その頃には、成熟したポラロイド社が破綻に向かうのが近づいていたとは、想像もつきませんでした。

デジタルカメラの出現のためかと思いましたが、大きくなりすぎた企業にありがちな設備投資に人件費が経営を圧迫、そこに小企業時代の理想主義に突っ走る経営陣の見誤りなどが重なって、破綻の縁に達したようです。最初は友好的だったコダックとの訴訟問題も起こりますし、日本のカメラの台頭も述べられていますが、次第に惨憺たることになり、いわば食い物にされて、最後は二束三文になります。

実はポラロイド社はいい線も狙える研究をしていたのですが、フレッシュでパワフルな創業時の勢いが失われ、最悪の結果を招いてしまいます。

私もポラロイド社の破綻のニュースを知った時には、親しみを感じた事が無かった日本の幾つかの金融機関の破綻よりも、ずっと驚きました。

しかし、アメリカでは、ポラロイドの消滅を阻止したい人たちも多く、デジタル時代のゆとりの無さに対する懐疑からも、ノスタルジックなアナログ回帰の動きがあり、かつて万単位の社員を有し、立派な研究者を抱えていたポラロイド社は、町工場的な小さな会社として、ちょうど命を終えた大木のひこばえのように再生しました。

日本でも、かつて栄華を誇ったメーカーが苦境に陥っている例は寡聞ではありませんが、大企業がいつまでも大企業で有り続ける難しさを感じさせてくれる本でした。


kaikoizumi2005 at 19:09|PermalinkComments(2)携帯からの投稿 
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